コーヒーに含まれるカフェインには基礎代謝を上げ脂肪燃焼を促進する作用があり、特に運動との併用効果が注目されている――。
ネスレ日本はネスレグループで長年培ったこのようなコーヒーの研究結果を活用し、ランニングにコーヒーの飲用が効果的であることを伝えていく。
21日、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合との協働で、都内8か所の銭湯を「銭湯×コーヒー ランニングステーション」に仕立てて、そこで銭湯を利用するランニング愛好者にランニング前とランニング・入浴後に「ネスカフェ」を提供するサービスを開始した。家庭外での「ネスカフェ」の飲用機会を拡大し家庭内消費につなげるのが狙い。
この日、台東区千束の銭湯「堤柳泉」でお披露目会に臨んだネスレ日本飲料事業本部の高岡二郎氏は「ランニングとコーヒーの相性がいいということを知っていただくことで、自宅付近で走られている方にもコーヒーを飲んでみようと思ってもらえるはず。今回の取り組みをきっかけに新しい飲用提案を行っていきたい」と意欲をのぞかせる。
ネスレ日本の福島洋一ウエルネスコミュニケーション室室長は、コーヒーに含まれるポリフェノールとカフェインの機能を説明。コーヒーポリフェノールについて、紫外線による肌シミをやわらげシミの抑制と関連する研究結果を紹介した。
カフェインの摂取については「基礎代謝を上げ脂肪燃焼を促進する作用があり、体重コントロールのために走る方に好適。ただしカフェインの摂取だけだと効果は弱く、運動と併用してもらいたい。バランスのとれた食事も大切になる」と説明する。
適度なカフェインを摂取することで持久運動パフォーマンスの向上や疲労感の軽減に役立つことも紹介した。コーヒーで一番多い成分は水分であり「カフェインには弱い利尿作用はあるが、コーヒーには水と同じ水分補給効果がある」と語る。
メニューは基本的にアイスメニューを提供。「ネスカフェ ゴールドブレンド アイスクレマサーバー」で注がれる泡立ちのあるアイスコーヒーや牛乳で割る希釈タイプのコーヒーなどバラエティに富んだメニューが2杯まで無料で楽しめるカフェカウンターを設置している。
コーヒーとランニングステーションの掛け算により減少傾向にある銭湯の活性化も期待される。現にランニング愛好者が荷物を預けたりシャワーを浴びるために銭湯を利用するケースが増えているという。
東京都公衆浴場業生活衛生同業組合の佐伯雅斗常務理事は現状について「ランナーが来過ぎてしまいロッカーが足りなくなり、登録したランナーしか受け入れられない銭湯もある。グループで来られる方もいるが、グループで受け入れられないくらい増えているところもある」と述べる。
ランニング愛好者に向けては、シドニー・アテネオリンピック長距離元日本代表の大島めぐみさんが各銭湯周辺を実際に走って監修したランニングコースを用意。銭湯によって初級・中級・上級に分かれ、いずれも各銭湯がゴールとスタートになっている。