12.9 C
Tokyo
12.9 C
Osaka
2025 / 11 / 05 水曜日
English
その他企業活動ビール酵母で途上国支援 JICAと連携で農業協力 アサヒグループ
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

ビール酵母で途上国支援 JICAと連携で農業協力 アサヒグループ

アサヒグループHDは、アサヒバイオサイクルが製造・販売するビール酵母細胞壁を加工処理した農業資材(肥料)を活用し、開発途上国での農業課題の解決に貢献するとして国際協力機構(JICA)と連携協力する覚書を4月25日に締結した。

この資材はビール醸造後に除去する酵母を利用するもの。植物に与えると免疫力が高まり、根の成長を促進する効果を高めるだけでなく、土壌の有用菌を活性化させるという2つの効果を持つ。

結果として農薬や化学肥料の使用量を抑えられること、食品由来で安全・安心であること、病気への耐性が強化・収穫量の増加・土壌の改善などで農作物の品質が向上すること、収穫量当たりの温室効果ガス排出量が削減されることなどが実証されたといい、国内では既に栽培に利用されている。稲作での使用例では、収穫量が40%増。健康に育つため殺菌剤や殺虫剤の散布回数が減少したとしており、第25回地球環境大賞農林水産大臣賞を受賞している。

ASEANなどの開発途上国では小規模農家比率が高く、技術・情報不足等で生産性が低いものの、より安全・安心な食品等へのニーズが高まっており、今回の資材を課題解決のために導入する。

同グループはラオス、インドネシアの農業プロジェクトに対し資材をサンプルとして提供。JICAとともに技術支援を行う。両国では将来的にニーズに沿った作物や、日本ブランドの野菜などの高付加価値作物の安定的な生産に協力していく予定だという。

またアジア、アフリカ、中東などから参加する研修員が学ぶ日本国内のJICA研修センターで、同グループの農業資材の特別研修を行い、自国での使用を促すとしている。

同グループ中期経営方針には「稼ぐ力の強化」「経営資源の高度化」とともに「ESGへの取組み深化」が掲げられており、事業を通じた持続可能な社会への貢献を求めている。勝木敦志常務取締役兼常務執行役員CFOは「利益も上がり、世界も豊かになれば」と期待を滲ませている。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点