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目指すは日本の良さを世界に届ける会社 創業100周年で再認識した「進取の精神」と「和の精神」を軸足に経営 扇雀飴本舗

 扇雀飴本舗は、中長期ビジョン「『新しさ』『面白さ』を形にして、世界中の人々に幸せと健やかさを届ける。」を掲げ、売上拡大を図るとともに、地域社会への貢献や従業員の働きやすさの向上に取り組み持続可能な企業経営を推進していく。

 6月9日、取材に応じた米田英生社長は「中長期ビジョン実現にむけて、引き続き、こだわりや本物志向を基本に商品作りを行いつつも、常に時代の流れを意識していく。社会との対話を行えるような会社、日本の良さを世界に届ける会社を目指していく」と意欲をのぞかせる。

 2025年3月に創業100周年を迎えた際、米田社長は今後の事業発展に向けた土台づくりに注力。100年の歴史の中で大切にしてきた「進取の精神」と「和の精神」を再認識し、この2つを軸足にしていく。

 進取の精神は、過去発売した「扇雀飴」、さらには社名の由来である二代目・中村扇雀丈が上方歌舞伎に臨む上で大切にしている考え方となる。

 「進取の精神で伝統を大切にしつつ、常に新しいものをチャレンジしていくというのは、我々の考え方に通じる」と捉えている。

 一方、和の精神は、100周年を迎えるにあたって“扇雀飴らしさ”を掴むべく、過去の業界紙掲載されている同社に関する記事を隈なく目を通して浮かび上がったものとなる。

 「和というのは日本という意味ではなく、聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条に出てくる『和を以て貴しとなす』に近しく、互いを尊重しながら思いやりをもって議論を重ね合わせることを今後も大事にしていきたい。『三人寄れば文殊の知恵』の格言の通り、いろいろな方のお話を伺うと選択肢が増え知恵も深まる。これは私の人生観である」と述べる。

 この考えのもと、会社組織運営の活性化を図る目的で、トップダウンからミドル・ボトム発信できる会社への変革に取り組んでいる。

 次世代を担う中堅社員(ミドルマネジメント、以下MM)が主体的に活躍出来るような企業風土作りや若手が主体となって発信して行く仕組みを積極的に導入している。

 MMが活躍できる取り組みとしては、MMが分科会リーダーを担い、各¬分科会にて会社方針案を検討し、定期的に役員会で内容報告を行い方向性の確認を行っている。今後の当社の柱となる人材育成への対応も兼ねている。

 「MMの役割が一番大きい。中堅の課長クラスが経営の期待している目線に沿って議論してもらうことが重要。一方、若手はもっとイキイキしたほうがよいと考えている」と語る。

 若手主体の発信とともに部署を越えた交流の機会を増やすため、社内外のイベントなども活用しながらつながりの強化を図っている。

 その一例が「センジャクヤングジェネレーション」(SYG)による新商品の開発。
 近畿・東日本・中部・九州の30歳以下の若手社員で編成された2チーム・14人でオンライン会議システムなどを活用しながら話し合いを進め、「你好桃飴:ニーハオモモアメ」と「 #Candy(ハッシュタグキャンディ)」の発売に漕ぎつけた。

 「ワンチームでやることが一番大事。ベテランにはない目線での商品づくりなど新たな発見も期待している。第二弾もやっていきたい」との考えを明らかにする。

 平時は和の精神、危機の際にはトップダウンが有効だと考える。

 米田社長が現職に就いた2022年は、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻への対応に追われた。
 「キャンデーはオフィス需要が高く、コロナ禍で在宅が増えたことで消費が減退したほか、砂糖や水飴の原料コストが非常に高騰し、コストは総じて2倍近く跳ね上がった。価格転嫁を迫られたが、当時のお菓子業界はデフレで棒上げの動きがみられなかったため、かなりチャレンジングだった」と振り返る。

 2023年5月、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類相当から5類に引き下げられたことで人流回復に伴い状況が改善。価格改定も流通の理解を得ながら進めることができたという。

 主力商品「はちみつ100%のキャンデー」シリーズの主原材料のシフトは1年間かけて実施した。22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナ産はちみつの調達が困難になる。当面、備蓄分で対応しながら、1年かけて他産地のはちみつの混合試験を重ねて移行していった。
社内システム面では、従来の昭和のやり方から令和のやり方への転換を意識し、業務の見直しを推進。「最初はペーパーレス化から進め、社内共有システムや生成AIシステムを導入し、情報共有の効率化と業務の円滑化を図っている」という。 

 職場環境の整備にも力を入れている。

 防災対策の強化として、避難研修の実施や個人用ヘルメットの配備、AED設置、禁煙対策を講じたほか、ハラスメント対策の強化、セキュリティの強化(出入口ドア指紋認証)やウォーターサーバーの設置(福利厚生改善)など社員が安心して働ける環境づくりに取り組んでいる。

 制服の廃止やスキルアップ支援のチャレンジ補助金制度の設置など、時代に合った制度面の改善にも取り組んでいる。

 和の精神と進取の精神を軸足に、「チャレンジとユニークネス」「素材へのこだわり」「日本の食文化を伝える」の価値を、次の100年に向けた原動力とする。

 「社員一人一人がファンの皆様への感謝を忘れずに、大きな視点をももち、和の精神を大切にしながら、ワンチーム・センジャクで積極的に行動できるようにしたい」と力を込める。

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