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食品卸 メーカー支援の新たな形 営業や物流を代行

 食品卸がメーカーに代わり、営業や物流を担う動きが広がっている。人材不足による営業力の低下や物流費の高騰など、メーカーが抱える課題の解決につなげるとともに、卸にとっては新たなビジネスを創出する機会としても期待される。

 加藤産業は6月1日、メーカーの営業を代行する新会社、KTセールスパートナーズを設立した。「これまで卸として培ってきた経験と全国の営業ネットワーク。こうした基盤を活用し、メーカーの販売拡大に貢献する」(加藤産業・社長室)のが目的だ。

 メーカーの商品を売り込むのは卸の本業だが、今回の新会社は帳合とは関係なく営業を行うのが特徴。つまり、加藤産業と競合関係にある同業卸にも営業する。

 主なターゲットとして想定されるのが、地方のメーカーだ。人口減による人員不足で営業担当者を増やすのが難しく、販路の拡大に苦心する。こうした悩みを持つローカルメーカーは多く、ニーズは強いとみられる。

 人手不足に悩むのは大手メーカーも同様。拠点の統廃合を進め、営業力が手薄なエリアも生じた。実際、今回の新会社には大手からも関心が寄せられている。まず、加藤産業の得意分野である加工食品から始め、将来的には低温や菓子への拡大も視野に入れる。

 地方の中小企業において、人材とともに大きな悩みが物流である。島根県西部を地盤とする食品卸、吉寅商店は昨年、地元の運送会社と共同で首都圏への物流網を新たに構築した。

 地場メーカーが人口減少の顕著な地元だけで売上を伸ばすのは難しい。関東などの大市場へ販路を広げたいメーカーは多いが、高騰する物流費がネックとなっている。トラックをチャーターできるほどの物量がなければ宅配便を使うしかなく、それでは利益が消失してしまう。

 吉寅商店が運送会社と確立したルートでは、1日に約200個の荷物を集めることができれば採算が合うという。メーカーが負担する運賃は低減され、同社も安定的な運送料が得られる。

 黒川久嗣社長は「物流の問題で首都圏への販売から撤退したり、見合わせたりしている生産者に利用してもらい、地域の産物や商品を掘り起こしたい」と話す。

 なお、8月1日に鳥取市の卸、德田商店が同社の事業を吸収し、新会社TK吉寅商店を設立することが決まった。運送業を含む卸売、小売業務は新会社が引き継ぐ。

 伊藤忠食品はメーカーの代行業務として、流通加工に力を入れる。大阪ギフトセンター(大阪市)では、メーカーの要望に合わせ商品を詰め替え、用途に応じた仕様に変更したり、新たなアソート品やギフトを作り小売向けに提案したりしている。

 第6営業本部の川西邦彦本部長は「課題解決型のセンターとして、柔軟性を持った流通加工を行っている」と説明。メーカーの工場では対応できない細かい詰め合わせなどを受託し、年間で約260万セットを加工する。また、同社が注力する冷凍の日本酒「凍眠凍結酒」も同センターで加工しており、地方の清酒メーカーの販路拡大に寄与している。

 このほか、旭食品は昨年、コンサルティングのイントループと合弁会社、食共創パートナーズを設立した。課題を抱える地方の食品企業の経営を支援することで、業界の活性化を目指している。

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