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キーコーヒー、製造設備とプロモーションに先行投資 コーヒー高騰や中東情勢など不安定な事業環境の中で中長期の成長見据える

 キーコーヒーは、中長期の成長を見据えて製造設備とプロモーションに先行投資する。

 5月28日、決算説明・事業活動報告に臨んだ柴田裕社長が明らかにした。

 「コーヒー生豆相場の高騰と為替相場の変動のほか、中東情勢を背景としたナフサ価格高騰による包装資材や物流コストのさらなる上昇リスクなど事業環境は引き続き不安定な状況が続き、このような状況においても、さらなる成長を図るため中長期を見据えた先行投資も必要だと考えている」と柴田社長は語る。

「Rantepao Meeting ~2026年3月期 決算説明と事業活動のご報告~」 に臨んだ柴田裕社長。イノダコーヒを特集した広報誌「COFFEE FAN」を紹介する
「Rantepao Meeting ~2026年3月期 決算説明と事業活動のご報告~」 に臨んだ柴田裕社長。イノダコーヒを特集した広報誌「COFFEE FAN」を紹介する

 前期(3月期)業績は増収増益で着地。
 今期は、不安定な外部環境に備えて財務基盤を強化し将来の投資をしていく考えから増収減益予想とする。

 製造設備については「少し古いものを入れ替える更新もあるが、それだけではなく、生産性や環境面を考慮して工場に投資をしていく」との考えを明らかにする。

 プロモーションは、若年層にキーコーヒーの商品・ブランドを認知してもらうことに主眼を置く。

 河合啓輔執行役員管理本部長は「広告宣伝は非常に大事だと思っている。広告宣伝を入れて、すぐにお客様に浸透するとは考えておらず、浸透には時間がかかる。ROE(自己資本利益率)の計画を達成していくためにも、広告宣伝にもしっかり投資していく」と説明する。

 若年層へのアプローチとしては既に、2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに注目して「18歳。コーヒーを」プロジェクトを実施。18歳は成人年齢という気付きを与えつつ、18歳のお祝いや大人の第一歩としてコーヒーの飲用を促している。

 柴田社長は「新しいコーヒー文化をつくる中長期的なプロジェクトとして『18歳。コーヒーを』プロジェクトを始めている。3月には東京都港区の高校を卒業した約1000人に『KEY DOORS+JET BREW』を寄贈し、コーヒーと共に大人として新たな一歩を踏み出してほしとエールを送った。今後の企画についてもご期待いただきたい」と述べる。

 学生向けの出張コーヒーセミナーや小学生親子を対象としたオンラインイベントなどの開催も予定し、リアルとデジタルで若年層・次世代に向けてコーヒーのタッチポイントを創出していく。

 同社は2030年のあるべき姿として改めて「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を掲げ経済的価値と社会的価値の両立に取り組む。
 具体的な指標としては、収益力強化・経営基盤強化・グループ統合力強化の3つの施策の柱に取り組み、2027年度までにROE3%、2030年度までにROE5%達成を目指す。

 キーコーヒーグループは連結子会社14社と持分法適用会社3社で構成され、各関連会社とのシナジーの発揮により、グループ一丸で喫茶文化継承に努めている。

 昨年7月に連結子会社化したイノダコーヒについては「店舗をあまり増やさずに、流通商品をさらに拡充させていく。グループ入りしたことで業績に寄与しているほか、キーコーヒーが喫茶文化を支援しているという姿勢はしっかり伝わっているように思う」との手応えを得る。

 業務用市場の取り組みとしては、食材のプライベートブランドを統合し「コーヒーと食の楽しさ」をコンセプトとした新ブランド「クレダルジャン」へとリブランディングしてコーヒーに合う食品の提案を強化していく。

 「クレダルジャン」は、フランス語で「銀の鍵」を意味し、「さぁコーヒーと、召し上がれ。」のブランドステイトメントを掲げる。

 「創業の頃はコーヒーになかなか馴染みがなかったため、コーヒーと一緒にいろいろな食材を紹介してきた。今回、リブランディングしたことで、今までの営業活動をより強く、独自性の高いものとして進化させて、コーヒーと食材でお店を総合プロデュースさせていただくことでお取先店舗の活性化を図っていく」との考えを示す。

 おいしさに加えて簡便性を兼ね備えている点が「クレダルジャン」の特徴。

 「リブランドの中で、コーヒーに合うということに加えて、テーマにしたのは人手不足。人手不足の喫茶店さまが多い中で、手間をあまりかけずにおいしいものということにこだわった」と説明する。

 家庭用市場に向けては「JET BREW」のラインアップを拡充してタイパニーズに対応していくほか、「イノダコーヒ」など高付加価値商品を提案していく。

 全体方針としては、製造設備とプロモーションに先行投資するほか、人的資本経営にも注力していく。
 エンゲージメントを高めて社員がイキイキと働ける会社を目指し、2023年に新設した人財開発課が中心となって社内制度の見直しを推進している。

 2025年10月には「健康経営方針」を策定。これにより、働きがいと健康の両立を支える仕組みを整備した。従業員が主体性を発揮し、成長・発展を続けることのできる企業づくりを目指していく。

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