7.9 C
Tokyo
7.6 C
Osaka
2026 / 01 / 28 水曜日
ログイン
English
農水畜産業水産カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

 瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。市場が拡大している殻付きのカキを、効率的に生産できるのが強みだ。そのための資材を提供するシーパジャパン(大阪市)は、カキ養殖にとどまらず培養装置など水産養殖全般にかかわる新規事業にも注力する。吉本剛宏社長に業界の現状と展望を聞いた。

  ◇  ◇

吉本剛宏社長
吉本剛宏社長

――瀬戸内海では養殖カキに甚大な被害が出ています。その中で、シングルシード養殖が広がっている背景を教えてください。

吉本 今回の大量斃死(へいし)については、生産者や関係者が真剣に対応しているものの、直接的な解決方法はまだ見いだされていないと理解している。海の環境が変わり続けるのであれば、環境に対応できる種苗を人工的に作る必要があり、従来の自然採苗に加え、人工種苗の割合を増やしていく必要がある。

 悪影響を与える要因に対し、耐性を持つタネを育てる技術はオーストラリアの業界団体に知見と経験があり、当社の要請により日本の課題解決へ協力する意思を見せている。

 海の状況が変わり生産が不安定になっていることだけでなく、後継者などの労働力不足、不安定な価格の問題も指摘されている。

 一方、主に飲食業や海外の市場からは「殻付きカキ」が求められている。しかし、従来の養殖方法では、殻付きを生産するには効率面で限界がある。課題に対し危機感を持つ生産者は、高品質の殻付きカキを効率的に生産したいという思いを持っており、シングルシードはそういった需要に応えている。

――殻付きカキが伸びている要因は。

吉本 元々はオイスターバーなどの飲食店から始まり、現在は小売店でも殻付きで販売するところが増えてきた。節約志向の一方で、高品質な食品や産地にこだわりを求めるニーズも強まっている。

 殻付きは産地の特徴を訴求しやすく、生きた状態で流通させるので鮮度も高い。オイスターバーでは産地ごとに食べ比べたり、生産者の名前やブランドが表示されたりすることも多い。殻付きは付加価値が高く、差別化を図りやすい。まだ一部の百貨店などに限られるが、将来的にはアサリを買うように殻付きカキを家庭で楽しむようになると期待している。

 生産者にとっても、むく労働力が必要なく高額で売れるなら、殻付きを生産することは理にかなっている。(つづく)

関連記事

インタビュー特集

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。

小川珈琲、バリスタ育成とコーヒー産地での活動に先駆的に取り組みブランド力向上 基盤強固に新事業を展開 宇田吉範社長CEOが意欲

9月1日から現職の宇田吉範代表取締役社長/CEOは、バリスタとコーヒー産地での活動に先駆的に取り組み、小川珈琲のブランド力を引き上げた立役者。

米国の認証機関として、米国輸出への総合支援に自信 認証だけでなく、企業の社会的信頼を高める仕組みづくりもサポート ペリージョンソン ホールディング(PJR) 審査登録機関

ペリージョンソン ホールディング(TEL03-5774-9510)は、ISO認証、ビジネスコンサルティング、教育・研修事業を通して顧客のサステナビリティ活動の普及に尽力。