加工食品即席麺・即席食品「ブルダック炒め麺」販路拡大 売り場に若年層呼び込む 「認知度アップに手応え」洪社長(三養ジャパン)

「ブルダック炒め麺」販路拡大 売り場に若年層呼び込む 「認知度アップに手応え」洪社長(三養ジャパン)

 韓国発「ブルダック炒め麺」の三養ジャパンが日本の即席麺市場で存在感を高めている。昨年は都市部などの主要スーパーで定番導入が増えたほか、直近は「ブルダック炒め麺」の人気フレーバー(「カルボナーラ」「クアトロチーズ」など)が大手コンビニ3社で販売された。洪範準(ホン・ボムジュン)社長は「店頭でしっかり売れるブランドとして認知度が高まってきた」と手応えを話す。2026年はキーアカウント(主要顧客)専任の営業部隊を組織し、取り組みを深掘りしていく。

■前期売上2ケタ増見込み

 「ブルダック炒め麺」のキャッチコピ―は「辛すぎ!でも旨すぎ!」。2012年に韓国で販売が開始されて以降、世界各国への輸出にも注力し、激辛フードを象徴するブランドの1つとして躍進を続けている。

 三養ジャパンの前12月期売上高は業界平均を大きく上回る約2割増で着地した見込み。洪社長は「K-FOODへの追い風がある中、市場で『ブルダック炒め麺』の認知と評価が高まり、新しい取引先の開拓が進んだ」とした上で、「当社製品は韓国のエンターテインメントなどを好む20~30代女性が多く購入し、ファンになっていただいている。(新規販売された)コンビニからは男性ユーザー中心の即席麺売り場に新しいお客様を呼び込める商品との期待をいただけた」と語る。

 既存の取引先とも関係を強化。「ドン・キホーテ」ではかねてより大々的に販売されているが、昨年は一部店舗でサイネージや販促物を使った特設棚を新たに展開し、売り上げがさらにアップした。

洪範準社長
洪範準社長

■学生やファミリー層にもアピール

 マーケティング活動の一環で学生やファミリー層へのアピールにも注力している。「若い女性だけでなく、まずは10代、40代、男性などにもユーザーのすそ野を広げたい」(洪社長)との考え。

 25年はK-POPの大規模イベントにブースを出展したほか、ピンク色の「ブルダックキッチンカー」が各地に出動して試食会を実施。「イオンモール幕張新都心」(千葉県)や「ららぽーと新三郷」(埼玉県)の会場では試食を待つ大勢の来場者で長い行列ができた。子ども連れの家族も多かったが、辛さを調整して提供するなど工夫し、「おいしかった」「想像より食べやすかった」などの反応があったという。

 高校のダンス大会「DANCE CLUB CHAMPIONSHIP」の公式スポンサーとして10代との接点拡大にも努めた。決勝大会でのサンプリングをはじめ、「ブルダック賞」の葛飾野高校(東京都葛飾区)にはキャラクター「ホチ」がサプライズで登場。部員にプレゼントを手渡しした。
 さらには約3年前から全国の大学への協賛活動を継続。学園祭やサークル活動などを対象に応募があった180校(前年60校)に「ブルダック炒め麺」や「ブルダックポテトチップス」を贈った。

 洪社長は、イベントを通じて「ブルダック」ブランドが若年層に浸透しつつあることを実感したという。「試食イベントでは親より子どもの方が詳しかったり、ご年配の方が孫へのプレゼントで買われたりするケースがあった。今後も大学などへの協賛は続ける方針。『ブルダック』は若い方を応援するブランドとしても広めたい」と展望する。

 試食イベントに大行列
試食イベントに大行列

■マルチパックに注力

 26年は引き続き新たな販路開拓を進めながら、袋麺は現在の個食パック主体からマルチパックのウエートを高めたい考えだ。カップ麺では昨年11月から26年2月の期間、全国のコストコ倉庫店(9か所)で特別販売を展開。「クリームカルボナーラブルダック炒め麺 BIG」のケース販売(6食入)を行っており、ヘビーユーザーが多い「ブルダック炒め麺」ならではのまとめ買いを推奨する。

 「ブルダック」にとどまらないラインアップの拡充にも注力。昨年発売した汁あり麺の新ブランド「MEP(メップ)」は、購入者から味に対して高評価を得た。単純に辛いだけのラーメンではなく、ヒリヒリした辛さ、メラメラした辛さなど、多様な辛さを楽しめる。グローバルアンバサダー「ENHYPEN (エンハイプン)」によるプロモーションも追い風に認知度アップを図っていく。

 パスタブランド「tangle(テングル)」は、麺のもちもち食感に加え、たんぱく質や食物繊維を豊富に含む健康感も特長。インフルエンサーがSNSで話題にすることが増えており、市場への定着を目指す。

 「ブルダック」の個性的な激辛ソースを活かした展開として、「ブルダックポテトチップス」に続く新商品を検討中のほか、BtoB事業の可能性も探る。昨年12月にはカルビー「じゃがりこ」とのコラボ商品が注目を集めた。

 洪社長は「韓国ではおにぎり、キンパ、チキン料理などでブルダックフレーバーが親しまれている。日本でも取り組みを強化したい」と話す。

カップのケース販売も
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