「令和8年缶詰業界新年賀詞交換会」が1月8日、東京・大手町の経団連会館で開かれた。共催したのは日本缶詰びん詰レトルト食品協会、日本加工食品卸協会、日本製缶協会、食品環境検査協会、日本鮪缶詰輸出水産業組合、日本水産缶詰輸出水産業組合、日本蜜柑缶詰工業組合、日本ジャム工業組合の8団体。
主催者を代表して、日本缶詰びん詰レトルト食品協会の池見賢会長(マルハニチロ社長)は、「昨年を振り返ると、原材料、エネルギー、物流コストの上昇、為替、さらには気候変動の影響により、事業環境は決して平坦なものではなかった。食品を取り巻くコスト構造が大きく変化し、生活者にとっては価格上昇が最大の関心事となっている」と指摘した。
インフレによる生活防衛意識が強まる一方で、「食品の安全性や品質、そして信頼がより一層重視された年でもあった。こうしたなか、保存性・安全性を備え、長期保存可能な缶詰びん詰レトルト食品の価値が日常の食卓において、あらためて評価される機会となったのではないか」と語った。
こうしたなか、「2026年は昭和元年から数えて100年を超え、次の時代に新たな一歩を踏み出す年となる」としたうえで、「私ども缶詰業界は戦前戦後の食糧不足から高度経済成長、災害時の食の確保、そして長きにわたって、家計に優しい食品として生活を支えてきた。缶詰業界の歴史は、単に製品を供給するだけでなく、その時々の社会変化に向き合い、技術や仕組みを磨き上げた歴史でもある。いかなる状況においても、安心して手に取っていただける食品であることを追求してきたことが今日の業界の礎になっている」と評価した。
インフレ、原料難、コスト高 家計にやさしい商品は限界
その一方で、気候変動や海洋環境の変化による原料調達の不確実性の高まりやインフレが強まる中で、「残念ながら、われわれの作る製品は、これまでのように家計に優しい商品とは言えなくなってきた」と言及した。サステナビリティや食品ロス削減、ローリングストックの定着など、市場のトレンドに対応し、「次の時代に新しい価値を創出していくことが求められている」と強調した。
続いて、来賓の山本啓介・農林水産大臣政務官が、地元・長崎に「日本最初の罐詰製造の地」と書かれた石碑があることを紹介。缶詰業界の歴史に敬意を表したうえで、原材料価格の高騰が続くなか、農水省として「合理的な価格形成や持続可能な食料システムの確立に取り組んでいく」と説明した。
その後、主催8団体を代表して、食品環境検査協会の廣瀬裕理事長が乾杯の発声を務め、新たな年の飛躍を誓った。
