明治は11月25日から、「ビフィズス菌OLB6378」を配合した乳児用調整粉乳「明治ほほえみ780g/2缶パック」と「同らくらくキューブ108g/540g/810g/1620g」を全国発売した。母乳で育つ乳児の腸内環境に近づけることで健康をサポートし売上目標は前年比110%を掲げる。
11月18日の発表会で八尾文二郎社長は「当社の乳児用ミルク事業は重大な使命と社会的責任がある。すべての乳幼児に確かな栄養を届け、誰一人取り残さないことが明治の使命」と力を込めた。
同社調査によれば、共働き世帯増加などを背景に、乳児用ミルク利用者は増加傾向にある。保護者の悩みとして特に多いのは「必要な栄養を十分に与えられているか」で、免疫力向上への関心も高まっている。
免疫抗体であるIgAは、腸管や口腔の粘膜で細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きを持つ。乳児は生まれたばかりでは自力でIgAを作れないが、母乳にはIgAが豊富に含まれ、免疫機能を補える。母乳を飲む乳児の腸内にはビフィズス菌が多いが、離乳期以降減少していくという。
そこで明治は「母乳を飲めない赤ちゃんや離乳期の赤ちゃんの免疫をどう守るか」という課題解決に向け、全国の健常乳児から集めた300株以上のビフィズス菌株を比較。最もIgA産生を促し、加熱後も機能を保つOLB6378株を選定した。
グローバルニュートリション事業本部の長田昌士副本部長は「すべての赤ちゃんが母乳で育った子どものように健やかに成長できる未来を目指す。OLB6378はその可能性を広げ、研究成果を通じて世界の赤ちゃんの未来に貢献したい」と語る。
1923年から乳幼児用ミルクを手がける明治は、育児負担軽減にも注力。「明治ほほえみらくらくキューブ」(07年)は計量不要で手軽さが支持。液体ミルク「らくらくミルク」(19年)は災害時の緊急輸入を機に開発され、プルタブ式からリキャップ式への改良で日常の育児にも活用が広がった。



