一正蒲鉾は5日、都内で「おせちハック発表会」を開催し、おせち作りのマンネリを解決するアレンジレシピを提案した。発表会では、同社マーケティング・コミュニケーション課課長の鈴木かさね氏が全国の20~60代の女性1000人を対象に実施した「おせちに関する調査」の結果を報告。おせちユーザーの喫食実態からおせち作りに対する本音などの意識を紹介した。
調査結果によるとおせちを「毎年必ず食べる」人は44・3%。高齢層になると高まる傾向だが、20代も42・5%で、30~40代と比べ5ポイント高かった。また、おせちを手作りする上で感じる楽しさ、やりがいについて聞いたところ、「日本の伝統文化を受け継いでいる実感」という項目を選んだ年代は20代が最も多く、若年層の伝統を継承する意識の高さが伺えた。

おせち作りの大変さや悩みに関する問いには、「たくさんの種類の材料を少しずつ揃えるのが大変なこと」が55・6%でトップ。「品数が多く、とにかく時間がかかりすぎること」(41・3%)、「作りすぎてしまい余らせる」(24・7%)などが続いた。一方、家族(特に子供)があまり食べてくれないという回答も。食べきれず残ったおせちについて「もったいない」と感じている人は24・5%おり、「同じ味が続くことに飽きてしまう」(19・3%)という人も少なくなかった。
おせちへの要望は「費用を安く抑えたい」が36・3%と最多で、「食べきれる量のおせちがもっと欲しい」(27・7%)「添加物が少ない、安心・安全なものや食材の産地がわかるものがよい」(22・8%)「伝統的な品目にこだわらず、洋風や中華などのメニューも増やしてほしい」(19・7%)が続いた。これについて鈴木氏は「価格以外にもバラエティー感(脱マンネリ化)が時代の変化にともなう課題として浮き彫りになった」と説明した。
鈴木氏と同社商品マーケティング課チーフの稲葉翔氏、料理家の𠮷田麻子さんによるトークセッションでは、おせちの品目の意味・由来を解説するとともに、調理のコツを指南。練り製品の楽しさを伝えるために一正蒲鉾が公式ホームページで298種を公開している「ねりデコ」も提案した。「ねりデコ」は練り製品の飾り切りで、さまざまなキャラクターやモチーフを表現したもの。親子で楽しむことができ、おせちやクリスマスから毎日の食卓やお弁当などの彩りとしても利用できる。その後、おせちのマンネリ感の解決策としてアレンジメニューを紹介。𠮷田さんが「かまぼこのチヂミ風」と「伊達巻おにぎり」を調理実演し、作り過ぎてしまったおせちの利用法を披露した。



