伊藤忠食品が主催する、「~未来を創る~第12回全国高等学校フードグランプリ」本選が11月1日、東京・池袋サンシャインシティで開かれ、静岡県立沼津商業高等学校「しずっ娘。」が大賞を受賞した。
グランプリに選ばれた「しずっ娘」は、香り豊かな沼津茶と宇治抹茶を生地に使用し、ミルクあんを包んで焼き上げた和洋スイーツ。地元の名産品である「静岡茶を再び日本一へ」という想いを込めて、外国人観光客をはじめ幅広い層に好まれる味わいとしっとりとした食感に仕上げた。

プレゼンテーション審査では、静岡の荒茶生産の現状や世界的な抹茶ブームの背景、SDGsの取り組みを紹介。地域の特産品である荒茶の活性化に向けて、県内の氏原製菓の協力を得て、静岡茶との相性にもこだわった和洋スイーツ「しずっ娘」を開発した。沼津御用邸記念公園や沼津港新鮮館、県内スーパーでの試食販売も好評で、本選当日も予定数量が早々に完売した。

審査委員長を務めた伊藤忠食品の岡本均社長は、「受賞商品のレベルが年々上がり、メーカーとの共同開発も増えるなか、『しずっ娘。』は高校生らしい商品開発、若いエネルギーあふれる素晴らしい発表だった」と賛辞を贈った。
同大会は、高校生が地域の特産品を使った開発商品のNo.1を決定するコンテスト。2013年に「商業高等フードグランプリ」として初開催し、今年度から学校活動で食品の商品開発を行う全国の高等学校に対象を広げ、「全国高等学校フードグランプリ」として新たなスタートを切った。
第12回目を迎えた今大会は過去最高の全国41校65商品の応募があり、予選を勝ち抜いた6校が本選に進出。当日は本選出場商品の試食販売やプレゼンテーション審査が行われ、各賞を決定した。
プレゼンテーション審査では、高校生たちがハツラツとした振る舞いで開発コンセプトや商品に込めた地域への想いをアピール。お笑いコンビ・ジェラードンがスペシャルリポーターを務め、高校生たちと一緒に会場を盛り上げた。また、今年度から新設したチャレンジ部門・マーケティング部門のプレゼンテーションでは、商品化の可能性を感じるアイデアや緻密なデータ分析による販促企画を紹介した。
なお、受賞商品の詳細は次の通り。当日の模様を収めたダイジェスト動画は後日、オンデマンドで配信予定。
■文部科学大臣賞(大賞)
■プレゼンテーション優秀賞(ダブル受賞)
静岡県立沼津商業高等学校「しずっ娘。」
高品質な沼津茶を使った香り高い生地とミルク餡を組み合わせた和洋スイーツ。「静岡茶をふたたび日本一へ」をコンセプトに、訪日外国人をはじめ幅広い層に好まれる味わいとしっとりとした食感に仕上げた。沼津茶の深い香りとミルク餡のやさしい甘さが絶妙。
■特別審査員賞
神奈川県立商工高等学校「具Goodポン酢」
横浜市金沢区産の刻み昆布を中心に、玉ねぎ・にんじん・長ねぎ・生姜など具材をたっぷり加えたポン酢。サラダや豆腐、揚げ物など幅広く使える万能調味料。「かけるだけで美味しさが増す」手軽に食卓を豊かにする商品。

■来場者賞
京都府立京都すばる高等学校
「京都カラムーチョ しば漬けタルタル」
不安定な社会情勢にストレスを抱える若者たちへ向けた、京都の魅力を詰め込んだ刺激的な辛旨ポテトチップス。京都三大漬物のひとつである「しば漬け」の酸味と、タルタルソースのまろやかな味わいをイメージし、七味の上品な辛さをかけ合わせることで生み出された、リピーター続出間違いなしの味わい。
■地域貢献賞
■大塚食品「ビタミン炭酸マッチ」賞(ダブル受賞)
秋田市立秋田商業高等学校「しいったけうめぇカレー」
世界遺産・白神山地の湧水で育った秋田県産の規格外しいたけと、日本三大地鶏の比内地鶏を使った具沢山なカレー。肉厚なしいたけとジューシーな地鶏が味わえる、秋田県産の大ぶりな具材が魅力の商品。
■大和ハウス賞
兵庫県立長田商業高等学校「黒豆ごはんおにぎり」
兵庫県丹波篠山地方の郷土料理「黒豆ごはん」をベースに鰹節を入れた、だしごはんのおにぎり。食に関するアンケートをもとに健康的な夜食を企画し、地元の味を手軽に食べられてほっとできる商品に仕上げた。
■キリンビバレッジ「365日、午後ティーライフ」賞
広島県立西条農業高等学校「Portal」
瀬戸内レモンと糖度が高くみずみずしい食感が特徴の世羅梨の果汁を使ったスポーツドリンク。レモンの爽やかな酸味と梨のやさしい甘さを活かし、運動後や気分をリセットしたいときに適した味わいを追求。商品名の「Portal」には、“がんばろう”と一歩踏み出すための入口になってほしいという願いを込めた。



