ちょっと高めの定番ビール「キリングッドエール」 手が届く“ご褒美”を 酒税改正見据え投入

キリンビールが“次世代定番ビール”と位置付ける「キリングッドエール」が10月7日に全国発売された。「一番搾り」「晴れ風」に次ぐ3本目の柱として、定番ブランドの中でもやや高めの価格帯を狙う戦略商品。1年後に迫った酒税改正による狭義ビールの酒税率引き下げをにらみ、多様化するニーズにラインアップ拡充で応える。

「近年、低下の一途をたどる日本人の幸福度。背景には人と人のつながりの希薄化がある。キリンビールは100年以上ビールをつくり続け、お客様とともにビール文化を創造してきた。原点には、ビールの人と人をつなぐ力がある。人が心理的につながる豊かな社会をつくりだす、まったく新しいキリンのビール。それが『キリングッドエール』。自信を持ってお届けできるビールが誕生した」。

7日の発表会で、キリンビールの堀口英樹社長が力を込めて語った。

飲んだときから気持ちが満たされる“まったく新しいおいしさ”を目指した、華やかな味と香りのエールタイプビール。ホップの香り成分「ルプリン」だけを取り出す特殊加工を施した「クライオホップ」を初採用し、これを独自製法で加えてろ過。雑味を抑えながらホップのフルーティさを引き出した。350㎖/500㎖缶、オープン価格。

「手が届く範囲で自分に合った良いものを取り入れ、心豊かに暮らしたいというお客様の思いに着目。『ビールはどれも似たような味』などの不満に応え、良いものでありながら手が届く価格帯、ご褒美感のある味を目指した」(山形光晴副社長=同㊨)。

新たな価格帯を構築?

7日の発表会でCM出演者と堀口英樹社長ら
7日の発表会でCM出演者と堀口英樹社長ら

発売日に確認したコンビニ店頭価格は、大手3チェーンとも税別230円。「一番搾り」(215円前後)をはじめとしたスタンダード系と、サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」(251~254円)などプレミアム系との間に、新たな価格帯で食い込んでいる。

「(ビール類の)酒税一本化を見据え、狭義ビールを充実・強化する。多くの方々に知っていただき浸透を図るには、酒税改正1年前の今がいいタイミングだ」。堀口社長が狙いを説明する。

日本の未来を明るくするブランドアクション「グッドエールJAPAN」にも取り組む。各地の地域コミュニティを元気にする活動を、47都道府県の自治体と連携して売上の一部を活用しながら支援。缶の二次元コードから専用サイトにアクセスし、応援したい自治体に寄付することもできる。

発売に合わせ、CMを全国で順次放映。ブランドリーダーを務める綾瀬はるかさん、Mrs.GREEN APPLEの大森元基さん、鈴木亮平さん、浜辺美波さんが、約200人のビッグバンドの演奏とともに歌って踊る。この日の発表会にも駆けつけ、撮影エピソードなどを披露した。