社長の椅子に子どもが座り社長と記念撮影――。
社長室に社員の子どもらを満面の笑みで迎え入れて写真に収まるのはアサヒグループ食品の川原浩社長。
9月20日、本社(東京都墨田区)で開催された社内イベント「ファミリーデー」の一コマ。
同イベントは2023年から毎年開催。3回目の開催となる今回は、過去最多の111人の社員と家族が招かれ、約40人の社員がサポート役を務めた。川原社長をはじめ役員も参加した。
社員が仕事に取り組む上で、家族の理解や支えは欠かせない要素と同社は捉える。
会社として家族に日頃の感謝を伝えるとともに、職場環境や仕事内容への理解を深めてもらうことを目的に企画している。
過去2回開催したところ、その効果はてきめんという。

取材に応じた川原社長は「社員が元気になる。どのようなものかと思って家族を呼んでみると、お互いに楽しまれて、お家でも会社の話になるのだと思う。参加後、社員の顔は本当に元気でイキイキとしていておりファミリーデーの良さは確実にあると思っている」と語る。
招かれた111人の中には、小さな子どもに留まらず幅広い年代の子ども連れや夫婦での参加もみられた。親を招いてもよいことになっている。
同社の社員数は約1200人。これまでの開催で、基本、毎回異なる社員とその家族が参加しているという。
ファミリーデーは、社員とその家族、サポート役に回る社員それぞれにプラスの作用をもたらしていると川原社長はみている。

「大変なのは準備だけで、あとはいいことしかない。参加する社員とご家族、準備している社員の三方よし、私を入れれば四方よしの取り組みとなる」と語る。
準備期間は半年。オンラインで打合せをしながら部署や拠点の垣根を超えて企画を練り上げていく。
「サポート役の社員は完全にボランティア。大阪や名古屋、栃木の工場からも来てもらっている。副次的な効果として、社員同士のコミュニケーション活性化が見込める。数回の打ち合わせのほか、前日の準備や打ち上げも含めて、普段は全く接点のない社員同士がつながるようになる」と述べる。
社員の家族との距離を縮めるにあたり、「ミンティア」「アマノフーズ」「ディアナチュラ」「和光堂」などの消費財を扱っていることを強みとする。

「お子さまからシニアの方まで幅広い人たちが食べられて楽しめるものを用意できるため、運営側も楽しいはず」とみている。
ファミリーデーでは、社長室や執務室などの職場見学のほか、「ミンティア」オリジナルラベル作成体験コーナー、オリジナル「クリーム玄米ブラン」作成体験コーナー、フリーズドライなどの商品開発や研究の背景を学ぶコーナーなどが設けられた。

