16.9 C
Tokyo
13.4 C
Osaka
2025 / 11 / 17 月曜日
English
その他各種イベント・展示会・講演会食生活研究会 東大院・佐藤特任教授が講演 iPS使った代替実験法など解説
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

食生活研究会 東大院・佐藤特任教授が講演 iPS使った代替実験法など解説

食生活研究会は9月4日、都内で「第33回『食と健康』講演会」を開催した。

冒頭、正田修理事長があいさつ。「当財団では過去10年間で156件、1億4600万円の研究助成を行っており、今年度は17件、1600万円を支援している。本日は当財団が助成した研究の中から、国際農林水産産業研究センターの白鳥佐紀子先生による研究報告と、この講演会のために東京大学大学院の佐藤隆一郎特任教授に講演をお願いし、快くお引き受けいただいた。お越しいただいた皆さまと日頃から当財団の運営にご支援をいただいている諸先生には、心から御礼申し上げたい」と述べた。

白鳥氏は「世界の栄養・食料安全保障と食料需給における課題」をテーマに、アフリカの農村部で実施した調査結果などを披露。1日に3食を食べていないことや、主食に偏った食事内容で常に同じものを食べているなどの実態に触れた。

マダガスカル島の事例では、行動経済学的な観点からリスク回避や、未来より現在を重視する選好が栄養改善の妨げになっていることを指摘。現在志向の人は、将来の健康のために栄養価の高い食品に投資しにくいなどの実情を報告した。

佐藤氏はビタミンB1を発見した鈴木梅太郎元東京帝国大学教授や、グルタミン酸ナトリウムを発見した池田菊苗元東京帝国大学教授の偉業に触れ、明治時代から日本の栄養・食品科学研究が世界の最先端であったと話した。また85年に自身が論文発表したカゼインホスホペプチドによるミネラル吸収促進に関する研究についても触れ、95年にその論文を用いて市販化したトクホ飲料を紹介した。

佐藤氏は、動物実験の代替実験法としてヒトiPS細胞オルガノイドの利用について解説。ヒト小腸オルガノイドの培養コストが、WRNH細胞の培養上清などを用いることで従来の100分の1程度に削減できると報告した。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点