8.5 C
Tokyo
7.8 C
Osaka
2025 / 12 / 15 月曜日
ログイン
English
流通・飲食中食・惣菜まつおか 松岡まち子社長 100年企業へ「着実半歩」 3つの「おいしさ」を届ける

まつおか 松岡まち子社長 100年企業へ「着実半歩」 3つの「おいしさ」を届ける

創業から約40年。旬の食材をていねいに店内調理した煮物や揚げ物など「おふくろの味」を提供する和惣菜店「まつおか」を作り、デパ地下を代表するブランドに成長するまで導いた。さらに新感覚の天ぷら惣菜を提供する「てんとてん」、出かける頻度が少なくなった高齢の「まつおか」ファンに商品を届けるためロングライフの冷凍惣菜を開発し、オンラインショップで販売するなど挑戦を続ける。一方、従業員の人財育成にも手を緩めることはない。25年5月から28年までの第五次中期経営計画がスタートし、100年企業へ向けて着実半歩で進んでいく松岡まち子社長の想いは。

◇ ◇

創業以来、お客様と対話し、心のこもった味と品質を追求してきた。市場環境は日々移り変わり、お客様のニーズも広がっている。この変化に素早く寄り添い、革新的な価値を生み出すことが私たちの使命と考えている。そのために、「三つのおいしさ」を追求し、さらなるブランドの向上を図っている。

一つ目が「見た目のおいしさ」。まつおかの正しい味を伝えるためレシピを守り、高い商品品質を保つだけでなく、販促物やボリューム感、商品の配置や器選びまで工夫を加え、惣菜を手に取りたくなるような売場をつくる。

二つ目が「開けた時のおいしさ」。商品に合ったパッケージと色合いやバランスを考えた盛り付けで容器の中でも美しさを保つ。一つ一つをていねいに取り組むことで、開けた時の食卓に、より豊かさと彩りを提供する。

最後に「食べた時のおいしさ」。素材にこだわり、ていねいな仕込みと調理で安定した味と品質を守る。「また食べたい」と思っていただけるおいしさを届ける。

また、「まつおか」のさらなる飛躍に向けて、「超小型店舗のベーシックモデル確立」「てんとてんの出店」「新規ブランド食材の採用と育成」「まつおからしい商品のリリース」を掲げ挑戦を続ける。

超小型店舗で出店機会を増やし収益拡大を図る。軌道に乗ってきた天ぷら惣菜店「てんとてん」の新店やインストアタイプの出店で新規顧客の獲得を目指す。新しいブランド食材を積極的に採用し地域食材を活用した独自性のある商品ラインアップを強化。従業員が自信をもって提供できる「まつおか」らしい商品をリリースしていく。

新事業への挑戦も進めている。新しい外食サービス事業を模索し、新しい市場へ挑戦していく。ロングライフ惣菜などの外販事業では、百貨店へ展開を進めながらギフト・オンライン・グロサリー・宅配チャネルにも営業を強化。ホテル、高級旅館などの業務用卸への展開に力を入れる。

惣菜の下ごしらえなど店舗をサポートする豊山工場の増設やサポートキッチンの新設で生産能力を向上。新規事業を推進するための積極的な採用と登用でまつおかの成長に貢献する人財を育成し、社外から経験豊富な人財も積極的に迎え入れ、多様な視点とスキルを取り入れていく。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。