市場拡大が熾烈化している健康食品分野において、九州エリアを地盤に堅調に売上伸長や事業拡大を進めているのが健翔だ。社名には「健康に関する商品を提供させていただき、社会貢献を果たすことで事業を拡張させ世界に翔ばたく企業を目指す」との思いが込められている。
自然環境の持つ素材から健康を見いだす「新しい食スタイル」の提案を実践。国内のみならずアジアを中心に食品素材の機能性を追求した自社商品の開発・提供を行い、堅調な業績向上を続けている。今期で創業20年となるが毎年増収増益を達成。市販用、業務用、青果、菓子ルートと幅広い販売先ルートを確保し、各カテゴリーにおいて順調に商品開発を推し進めている。それがプラスとなり、さらなる成長が期待できる企業になってきている。
渡邊祐一社長は2005年の創業当初、サラリーマン時代に同業種に勤めた経験を生かすべく、乾物の販売からスタートした。しかしそれだけでは大幅な収益増と将来性が見込めず、新たな事業を考える必要が生じていた。福岡では多くの企業で通販事業が好調で、特に健康志向商品として「青汁」が大きく売上を伸ばしていた点に着目して青汁事業に新規参入することに決めた。独自に商品開発を手掛け青汁に関する知識を深めていたため、同品質を維持しながら他メーカー商品と比較して2~3割安の商品を出しても利益を捻出できる自信もあった。
まず知り合いを通じてOEM商品として供給することで市場拡大に努めた。当時、青汁は通販商品として定番となっていたが、SMの店頭などでみかける機会はほとんどなかった。そこでSMやDgS向け商品として売り出せるようバイヤーとの交渉の機会を数多く設け、意見交換を繰り返して商品企画や売価・販促方法などを検討した。その後も試行錯誤を重ねていくことで「青汁のススメ」を上市。市販商品として青汁商品を売り出せたことで通販商品との差別化に成功し順調に販路を拡大。今や看板商品に成長した「青汁のススメ」をはじめとした幅広い健康食品について、原料選択から小ロット生産まで幅広く対応できることが同社の強みとなっている。
また静岡と大分のメーン2工場での商品生産・開発や10か所の受託工場でのOEM生産など様々な事業を行っている。機能性食品素材の発掘については素材の持つ機能性を探求。独創的な商品づくりを目指して取引先の原料メーカーから提案された素材を吟味し、価値訴求型商品の開発を続けている。そのほかにも菓子や青果用としてSMでのデーツの販売に力を入れている効果で売れ行きも好調に推移しており、イチジクを加えるなど販路拡大にもつなげている。
今後の大きな方向性として、素材本来の味を生かして付加価値のある商品を生み出すとともに、美味しく、分かりやすく、手軽に食べられる点に焦点を当てた商品開発を目指す。さらに売場における新しいカテゴリー分野の創出を図っていく意向だ。