自然芋そば 新商品で布海苔高騰を乗り切る 石臼挽きの高配合そばを新発売

新潟県上越市の自然芋そば(古川康一社長)が9月1日、国内産の原料のみを使用したこだわりの「石臼挽き国産八割そば そば香る」を新発売する。

創業60年の老舗メーカーで、自社製粉の挽きたてのそば粉と平成の名水百選に認定されている越後名水・大出口泉水を製麺水に使用した熟練の製麺技能士による麺づくりを続ける。

この地域では昔から、そばのつなぎに自然芋と海藻の布海苔が使用されており、看板商品の乾麺「自然芋そば」はコシのある食感と素朴な味わいが長年にわたり高い支持を得ている。

新商品の「石臼挽き国産八割そば そば香る」200g(希望小売価格・税別500円)は、原料のすべてが国内産。石臼挽きにしたそば粉を8割使用した高配合で、豊かなそばの香りが楽しめる仕上がり。製麺水は大出口泉水の名水を使用。パッケージは黒色をベースに高級感を演出した。

新潟名物の「へぎそば」で欠かせない海藻の布海苔は、海水温の上昇などの影響を受け収穫量が大きく減少。25年も収穫量の落ち込みが続いており、価格高騰どころか入手さえ困難な状況に陥っている。

同社の乾麺では布海苔を使用した商品が多く、布海苔を使用しない新商品に挑戦することで、窮地を乗り切っていく考え。

古川社長は「今後も布海苔の収穫量拡大が見込めず、主力商品の『へぎそば』に代わる布海苔を使わないそばの開発を進めてきた。試作を繰り返して、ようやく満足のいくそばができた。展示会での試食プレゼンにおいては、パッケージとともに味でも高評価をいただいている」と話している。