農水畜産業米{コメ}コメの代替需要つかむ餅 「前半でここまで売れるとは」サトウ食品・佐藤社長 もち米の作付減に懸念も
カナエ モノマテリアルパッケージ

コメの代替需要つかむ餅 「前半でここまで売れるとは」サトウ食品・佐藤社長 もち米の作付減に懸念も

包装餅とパックごはんで業界首位のサトウ食品(新潟市)。昨今のコメ価格高騰で、同社商品への注目度も高まっている。

8月22日に開催した商品発表会で、社長の佐藤元氏が会見。今年の新米価格も高騰する見通しであることに触れたうえで、国が主食用米の増産へ舵を切るなか、もち米の生産縮小に懸念を示した。

「うるち米のほうが高くなれば、(農家にとっては)もち米よりも手間がかからず高収益。全国餅工業協同組合加盟社の包装餅は国産もち米しか使っていないので、日本で作られるもち米が減ってしまったら大変なことになる」。

今春にはコメの店頭価格が高止まりする一方、オフシーズンの包装餅が前年比5割増ほどのペースで売れた。麺などとともに、餅もコメの代替需要をつかんだとみる。

それでも年末の需要期に比べれば微々たる物量ながら「前半でここまで売れるとは思っていなかった」(佐藤氏)。

必要な原料は確保しているため年内は生産を続けられる見通しだが、他メーカーの供給状況により流通からの注文が増えた場合は不透明だという。

急拡大続くパックごはん 増産体制急ぐも原料米確保に不安感

餅入りスープ「鶏餅湯(ジーモアチータン)」を提案
餅入りスープ「鶏餅湯(ジーモアチータン)」を提案

パックごはんも、近年の生活スタイル変化などを背景に市場が急拡大。同社では増産体制の構築へ、建設中の聖籠第2工場(新潟県聖籠市)が来年10月に稼働予定だ。

一方で原料米の高騰が続き、安定調達も難しくなっている。

「『サトウのごはん』の主力品種に使う新潟県産コシヒカリは(JAの概算支払金が)今年は3万円を超えるが、お金を出しても買えなくなってくる可能性もある。先が見えないのが怖い」と危機感を語る佐藤社長。

主力品に生産を集中するため一部品種を休売中の「サトウのごはん」。今年も独自の「厚釜炊き製法」をオードリーの2人が出演するCMでアピールしている。

また包装餅も、個包装で“ちょうどいいサイズ”の「シングルパックミニ」を芦田愛菜さん出演のCMで紹介。WebCMやSNSで、味の素「丸鶏がらスープ」を使ったメニュー提案も行う。

「サトウの切り餅」では「SPY×FAMILY」とのコラボ商品を3年目の今年も展開。11周年を迎えたスティック状の「切り餅いっぽん」はデザインを一新した。「#おもち大作戦2025」と銘打ったWEBプロモーションも企画中だ。

鏡餅では、昨年にプラ製の窓を廃止した化粧箱タイプのデザインを、イラストから写真に変更。中味を分かりやすく伝えるパッケージとした。グループのうさぎもちも、化粧箱を全サイズ減容化。環境保全や物流効率化への対応をさらに前進させている。

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