相互は7月31日、都ホテル京都八条(京都市)で秋季見本市を開催。「愛すべきお菓子の未来へ歩もう!」をテーマに掲げた今回はメーカー100社が出展、得意先100社を招いた。
企画コーナーでは「お取り寄せ商品」「直送企画」「おすすめの国産米菓・半生」といったテーマに合わせ地域商材を多く並べた。営業部の中島雅彦部長は「地方には商品力があっても営業力の弱いメーカーがある。きちんと並べれば売れる商品も多く、それらを提案し問屋としての役目を果たしたい」と強調。
メーカーブースでは各社が新たな需要を狙い、新製品や食べ方の提案に力を入れた。植垣米菓(神戸市)は看板商品「鶯ボール」のミニタイプを紹介。ソフトな食感が特徴で、季節限定のチョコやホワイトチョコも販売する。「ホワイトは特に女性に人気がある。若い層を取り込みたい」と力を込める。

ハウス食品は同社のスパイス5種類を用意し、「とんがりコーン」を試食提供した。店頭のマネキン販売では「バーモントカレー」のパウダーが人気という。この日はシナモンシュガーや大辛唐辛子なども用意。「菓子と食品を一緒に提案し、買上点数のアップにつなげたい」と話していた。
相互グループの京かおりは新製品の「ファミリーバウム」をアピール。「最近は京都の日本酒や鳴門金時などを使い、販売先やターゲットを絞った商品が多かった。今回は原点に返り、みんなで食べられるプレーンのバウムを発売した。様々なチャネルに広げる」と意気込む。
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藤原弘社長に近況を聞いた。
25年6月期の売上高は前年比1.4%増。利益は人件費の上昇などもあり前年並みの見通し。得意先のM&Aにより失った売上もあり、状況は厳しい。
これまでも地域密着を掲げてきたが、改めて大手卸との違い、われわれにしかできないことを見いだし、商品発掘や販売提案を行う。個店が減る中、まずはこうした取り組みに注力し既存得意先のインストアシェアを高めることが大事だ。