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2025 / 11 / 11 火曜日
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流通・飲食昭和 富士センター稼働で物流網再編 前期は増収減益
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

昭和 富士センター稼働で物流網再編 前期は増収減益

昭和(愛知県稲沢市、青山尚正社長)の25年3月期業績(かっこ内前年比)は、売上高1323億8900万円(2.4%増)、営業利益1億2100万円(45.3%減)、経常利益5億4900万円(8.7%減)、当期純利益5億7100万円(11.8%増)となった。売上高は、既存取引先の深耕や業務用がコロナ明け以降堅調に伸び続けていることなどから増収とした。売上増により粗利益も拡大したが、人件費や物流費などのコスト上昇が影響し、営業利益は前年を大きく割り込んだ。

商品カテゴリー別の実績については、水産品・水産加工品2.3%増、ドライ1.6%増、冷凍食品3.3%増、酒類2.4%増、その他1.9%増。

水産品は、気候変動等による激しい環境変化の中、「当社の付加価値である調達では、引き続きリスクを負った買い付け等に努めた。厳しい状況に変わりはないが、産地とのパイプを太くしていくことに継続して取り組んでいく」とする。

冷凍食品は堅調で、自社物流機能を生かして販路を拡大。ドライや酒類では、オリジナリティの高い商品開発を強化。乾物系をはじめグループ会社ジョイフーズが手掛ける「アーモンド小魚」、地元メーカーを中心にした調味料などを注力展開。

酒類では、オリジナルカップワインをリニューアル。同社初となるオリジナルピュアモルトウイスキー「日比野」の本格販売にも今期から乗り出す。

物流においては、昭和冷蔵の富士センターが今年2月に竣工し、同5月から本格稼働している。新センターは関東と中京の中継基地としての役割を担うとともに、既存の静岡営業所・センター(牧之原)との管轄エリア・役割再編で、静岡エリア全体の物流を効率化。同エリアの取引深耕や新規開拓、顧客のコストダウンなどにつなげる。

中計「FACT」3年目に 今期スローガン 「OhSameLe(おさめる)」

昭和では前々期から中期経営計画「FACT」=「Forth at Crisis Time」(危機において発揮されるチカラ)が始動。前中計「FOCUS」の検証と次の一歩に向けた取り組みを推し進めている。

初年度の「Realize」に続き、2年目に当たる前期は「Decision」を単年度スローガンに策定。足場固めを進める年と位置付け、主要取り組みを深耕。「新規開拓も含めて、卸としての得意先への提案や、オリジナル商品を中心としたメーカーポジションでの活動は順調に進めることができた」と総括する。

また、新設した「営業推進部」の下に商品開発部と販売促進部(旧マーケティング部)を配置。前者ではオリジナル商品開発に際しての横軸を刺した取り組みで成功事例を積み上げてきた。後者では販促動画の制作や食育活動などが卸の付加価値提供に寄与しているという。

中計「FACT」3年目の今期は、単年度スローガンを「OhSameLe(おさめる)」と定めた。

「OhS」は、「オリジナリティ」「ハーモニー」「サプライ(納品・調達)」を表現。納品・調達にオリジナリティを調和させることで付加価値を生みだしていくとの意。「足元を見直した時、われわれにどのような価値があるのか。オリジナリティを常に考え、価値を高めていき、取引先から選択される卸となることを目指す」。

また「SameLe」は、「セイムリーグ(同じ仲間)」を意味しており、グループの一体感を強め総合力向上に向けた体制整備も進める。

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