昨日31日は土用の丑。夏バテ防止にウナギの蒲焼と毎年思うのだが、値段を見て結局手が出ない。今年の稚魚は数十年ぶりの豊漁と聞くが、食用に育つには1年はかかる。来年の値下がりを祈りつつ、同僚記者からもらった「うな蒲(かま)ちゃん」(スギヨ)で晩酌をした。
▼日本のウナギ消費量の99%は天然稚魚からの養殖だ。乱獲により漁獲量は減少しており、「白いダイヤ」とも言われる。昨今、EUがニホンウナギをワシントン条約の対象に加える動きもある。ウナギの輸入に支障が出れば、値下げどころの話ではなくなるか。
▼頼みの綱は完全養殖の実用化。しかし、ニホンウナギの生態は謎に包まれた部分が多く、卵からふ化した仔魚を稚魚に育てるのは至難の業。稚魚の低コスト・大量生産の目途はついておらず、実用化はまだ先の話という。
▼念のため、「うな蒲ちゃん」食後の感想にも触れておこう。「見た目・香りはウナギの蒲焼そのもの。食感は本物には及ばずとも、言われなければ分からない。タレの味も良く全然アリ」で家族全員が一致した。来年もまた、本物は食べられそうにない。