精糖大手のウェルネオシュガーは、2026年10月1日を目標に100%子会社である東洋精糖を吸収合併すると発表した。100%子会社である第一糖業の吸収合併を今年10月1日に控えており、さらなるグループ経営の一体化を進めることで経営基盤の強化・統合シナジーの早期実現を図る。
同社グループは、2023年1月1日に日新製糖と伊藤忠製糖の経営統合によりウェルネオシュガーを持株会社とする新経営体制に移行。2024年10月1日には、3社が完全経営統合し「新生ウェルネオシュガー」を発足させた。
2024年度を起点とする中期経営計画「WELLNEO VISION 2027」(~2027年度)では「Food&Wellnessの事業拡大」「Sugarの基盤強化」を重点戦略に掲げ、フードサイエンス事業と砂糖事業の両輪での事業の強化・拡大を狙っている。こうした中、今年2月7日より東洋精糖の株式公開買付を実施し完全子会社化した。同社は砂糖事業のほか、ルチンやへスペルジンといった有力な機能性素材事業を展開しており、子会社化の背景にはウェルネオシュガーの重点戦略との親和性が高いとの判断があった模様だ。
国内砂糖事業は、人口減少や低甘味・低カロリー志向を背景に依然として厳しい状況が続いている。昨今は円安や原料・エネルギーコストの高騰など経営リスクも高まっており、精糖業界は工場の統廃合や業界再編を通じて砂糖事業の基盤強化・効率化の動きを進めている。
吸収合併の狙いについて同社は「東洋精糖との一体経営をさらに推進することで、Sugarセグメントの基盤強化およびFood&Wellnessセグメントにおける事業拡大を一層加速させ、経営効率の向上、統合シナジーの早期発現・最大化を図る」としている。

