ドリップバッグコーヒーの表示に関する問い合わせが増加していることが、6月2日、都内で開催された全日本コーヒー公正取引協議会の定時総会で明らかにされた。
多い質問は、ドリップバッグコーヒー個包装の一括表示と外箱表示の関係。
計量法は経済産業省の法律だが、計量検定は自治事務となっており、秤の検定判断は都道府県に委ねられている。
このため、個包装の内容量表示と全体量の表示の記載方法によって、計量検定所の使用秤の検定対象になるか否かの考え方が自治体ごとで異なり、事業者の中には対応に苦慮しているところがあるという。
この問題について、西野豊秀常務理事は「可能な範囲で都道府県の対応について整備できないかと考えている」と語る。
ブレンド表示に関しては、同一生産国の異なる地域のコーヒーをミックスしたものをブレンド表示可能とした。一例を挙げると、エチオピアのシダモとハラ―をミックスした場合、エチオピアブレンドと表示できる。
ブラジルのコニロン(ロブスタ種の一種)輸入が常態化しつつあることなどを受けて、同一国内で生産されたアラビカ種とロブスタ種をミックスしたもののブレンド表示も認めた。
一方、深煎りと浅煎りなど焙煎度が異なるコーヒー豆をミックスしたものや、炭火焼50%・水素ガス50%といったような異なる熱源で焙煎したコーヒー豆をミックスしたものについてのブレンド表示の可否については様子見とした。

インフューズドコーヒー関連の相談・苦情も寄せられるようになったという。
インフューズドコーヒーとは、酒やシロップ、フルーツ、スパイスなどに漬け込みフレーバーを移したコーヒー生豆を指す。
日本で処理されたものと、コーヒー生産国などの海外で処理されたものがあり、前者であれば、日本酒に漬け込んだ場合、「コーヒー豆・日本酒」と記載すれば問題は生じないとされるが「レギュラーコーヒーとしてよいかどうかは問題」と指摘する。
海外で処理される後者の場合、トレーサビリティの実施が容易でないことから、レギュラーコーヒーとして扱われているのが実情となっている。
インフューズドコーヒーについては公的に定義されておらず、同協議会の中で知見もないことから「しっかり整理して結論を出していきたい」との考えを明らかにした。
定時総会で冒頭挨拶した鈴木修平会長は「消費期限の表示方法が見直されているなど様々な課題がある。コーヒー業界が消費者からの信頼をしっかり得られる業界にしていかなければならない」と呼びかける。
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