イオンリテール中部カンパニー(石河康明支社長)は、近畿日本鉄道(以下、近鉄)、福山通運とともに鉄道輸送を活用した商品搬送・販売実験に着手した。第1弾として5月23日・24日の2日間、大阪の人気ベーカリー・鳴門屋製パンの商品を「熱田店」で販売。上々の手応えをつかんだようだ。
今回の取り組みは▽名古屋エリアでは普段食べられない、他地域の人気商品を高鮮度状態で提供すること▽鉄道輸送を活用することで、既存の物流体制よりも各段に早いリードタイムでの店着・販売の実現や環境負荷の低減、ドライバー不足解消等につなげることが主な狙い。
鳴門屋製パンの商品は、近畿圏のイオンでは通常販売しているが、中部カンパニーでの取り扱いは初。
搬送ルートについては、まず鳴門屋製パンが製造工場から福山通運の大阪船場支店へ商品を納入。福山通運は同支店から大阪難波駅まで配送する。大阪難波駅からは、近鉄の名阪特急「アーバンライナー」を使用した貨客混載輸送で名古屋まで輸送。名古屋からはイオンリテール中部が専用車で店舗まで届けるというもの。
早朝6時半に工場を出荷し、当日の昼ごろには「熱田店」に陳列。既存の物流体制と比較して、約15時間早く店着するという。
販売商品は、一番人気の「アップルパイ」(198円)や地元花園ラグビー場にちなんだ「東大阪ラグカレー」(198円)など8種類・約300個。
「2日間ともほぼ完売し、好調なスタートを切ることができた。24日は、チラシや店頭POPを見たお客様が12時半ごろから売場前でお待ちになる風景も見られた。まだ始まったばかりだが、継続・発展していけるよう、近畿鉄道さま、福山通運さまとともに取り組んでいきたい」(広報)とする。
年内に関しては、月1回のペースで鳴門屋製パンの商品を販売。取り扱いは「熱田店」「名古屋茶屋店」「名古屋則武店」の3店舗でローテーションする。
「一番の課題は要冷蔵対応だが、ここはもう少し時間が必要。まずは貨客混載事業をしっかり固め、鳴門屋製パンさんの商品が定期的に買える形にしたい。近鉄沿線にはイオンの店舗がたくさんあるので、例えば『鈴鹿白子店』で途中下車するような運用も検討していく」(食品部商品物流担当・佐野健太郎氏)。
![]() |
![]() |