日本アイスクリーム流通協会は5月21日、都内で通常総会を開き、新会長に佐々木裕二氏(佐々木冷菓副社長)を選出した。2000年から25年間会長を務めた松村武氏(松村乳業会長)は退任し、「支えてくださった皆さまに深く感謝したい」と謝意を述べた。
アイスクリーム市場は近年、家庭内消費の定着を背景に堅調に推移。2024年度は6400億円を超える見込みで、販売物量も前年並みを維持する見通しだ。日本アイスクリーム協会が実施した調査(対象1400人)では、「価格に見合う、またはそれ以上の価値がある」と回答した人が約8割を占め、アイスは嗜好品から日常品へと位置付けを高めている。
懇親会に先立ち、関東アイスクリーム協会の小栗英揮事務局長は「今でこそ市場は拡大しているが、過去には苦しい時期もあった。特に昨年は物流問題に直面したが、松村会長は先頭に立ち果敢に取り組んだ。そのリーダーシップは業界に確かな足跡を残した」と松村氏の功績をたたえた。

乾杯の音頭を取った井村屋の田中穣治専務取締役マーケティング本部長は、「2000年当時の市場規模は約2800億円。それが今や6400億円超に成長し、25年間で約2.5倍となった。これは協会と関係者の不断の努力の賜物だ」と述べた。
中締めではフタバ食品の佐瀬信一専務取締役営業部内管掌が「松村会長の25年間に心からの感謝を申し上げたい。佐々木新会長のもと、より一層市場を盛り上げていければ。この夏は日本列島が“真っ赤”になる猛暑予報も出ている。アイスの需要にも期待したい」と語り、三本締めで締めくくった。
協会では今年度も「適正利益が確保できる体質づくり」に向けたメーカーとの協議や、「働き方改革」「物流機能の安定確保」などに取り組む。役員改選では、新副会長に相原貴久氏(アイスコ)、松村悟志氏(松村乳業)、新常任理事に小川みさと氏(日本アクセス)がそれぞれ就任した。
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