乾麺 底堅い市場支える奮闘

乾麺類の24年度生産量は、4年ぶりに20万t近くに回復した。食品価格が上昇するなか、1食当たりの価格優位性を発揮して、PBを中心に需要が増加した。また猛暑や残暑、コメ不足による特需も貢献した。

▼最高値は1989年の35万t。それから35年間に15万tの市場が消えた訳だが、業界関係者は「いまも20万t近くを維持しているのはむしろ驚異的」と話す。うどんを例にみると、乾麺と生麺しかなかった時代から、製造、保存、物流技術が発達して半生、チルド、冷凍、さらに外食チェーンも増え多様化が進む。

▼市場が下げ止まったのは業界を挙げて地道に取り組んできたことが大きい。品質や食味が向上したのも一因だが、いろんな食べ方を訴求して、総菜やサラダなど、つゆやだし以外の食べ方が広がっている。食物繊維やタンパク質といった栄養素を強化した乾麺も増えていて、主食としての概念が薄れてきている。

▼大手メーカーが少なく中小企業が多い業界だが、時代に合わせてそれぞれが独自に奮闘している。その取り組みについては、12日発刊の刊行誌「乾麺めんつゆ」を読んで知ってほしい。

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