「夏・夏」予報に備えを

3月の最終日、年度末を迎えた企業は多いと思う。桜の開花とともに春の訪れを感じる季節だが、今年は全国各地で早くも夏日が続出するなど気温の上昇が目立つ。昨年来、日本は気候変動の影響で「四季」が「五季」(春・夏・夏・秋・冬)に変わったとの話題が増えたが、3月後半の陽気は今年も猛暑・残暑の長期化を予感させた。

▼大手即席麺メーカーのトップは「長い夏に向けてカップ焼そば(汁なし麺)の露出を広げたい」と意気込む。冷凍うどんメーカーの販促担当は「暑いと売れなくなる」との問題意識から、初夏の販促を強化し需要に弾みをつけたいと展望する。

▼「9~10月におでん種が売れなくなった」と嘆くのは練り物メーカー幹部。近年は残暑の長期化でシーズンインが遅れているためだ。「季節感が変わって商売が難しい」とこぼす。

▼足元ではコメ価格高騰の話題で持ちきりだ。主食の代替需要で手ごろな総菜パンの売れ行きが良いと聞く。夏にコメ騒動が再来するかは不透明だが、猛暑・残暑の影響とあわせて少なからず消費行動の変化が予想される。食品業界各社の備えはいかがだろうか。

株式会社アピ 植物性素材