12.4 C
Tokyo
12.1 C
Osaka
2025 / 12 / 18 木曜日
ログイン
English
トップニュース家庭用チルド麺 夏前の端境期を底上げ 簡便・即食タイプで新提案

家庭用チルド麺 夏前の端境期を底上げ 簡便・即食タイプで新提案

家庭用チルド麺の大手メーカーは、盛夏前の端境期に向けた提案を強化している。水やつゆでほぐすだけの即食タイプによる新しい食べ方や、人気商品の増量キャンペーンなどで需要喚起を図る。今年も夏場の猛暑・残暑が予想される中、切れ目のない仕掛けでマーケット全体の活性化を目指す。

昨年7月、記録的な猛暑に見舞われたにもかかわらず、市場では冷し中華カテゴリーが前年割れとなった。残暑の厳しかった8~9月で挽回し、春夏トータルではプラスに持ち込んだものの、業界内で「すでにボリュームの大きい7月の実績を伸ばすのは難しい」との認識が広まった。そこで「年間の売上を増やすには夏前の端境期を底上げすることが重要」(上位メーカー幹部)。

目下のターゲットは3~5月だ。スーパー等の店頭ではチルド麺の棚も秋冬商品から春夏商品への切り替えが進むが、まだ冷し麺が本格的に売れる季節には早い。各社は即食系の簡便商品を中心とした新たなメニュー提案や、気候に左右されにくいつけ麺・まぜ麺などの露出拡大を図る。

シマダヤは、「流水麺」ブランドの簡便性を生かした“サラダめん”を訴求し、涼味に限らず年間を通じた喫食機会を喚起していく。「そば」「うどん」「そうめん」などシリーズ全品のパッケージ裏面に二次元コードを入れ、カットサラダ等を使った簡便なアレンジレシピを紹介する。「冷し中華」2品は表面のシズルを“サラダめん”に変更してアピール。大手調味料メーカーとコラボレーションした販促も展開する。「商品特性の簡便に、健康など新しい価値を付与し、夏場以外にも食べる機会を創りたい」(同社)。

若年層をターゲットに新ブランド「濃厚界隈」を立ち上げた。インパクト抜群の濃厚スープが楽しめる「豚豚豚醤油冷しラーメン」など2品を投入。

日清食品チルドは、最需要期を迎える「つけ麺の達人」と「まぜ麺の達人」の2ブランドで新商品や増量企画を展開して盛り上げる。新商品「つけ麺の達人 和風鶏しょうゆ」は、淡麗・清湯系つけ麺店の食べ方を参考に開発。

「日清のそのまんま麺」シリーズにも注力する。「冷し中華」「ぶっかけうどん」などを品揃え。添付のたれ・つゆをかけるだけの超時短調理に加え、独自の配合や製法で麺の品質にもこだわっている。

東洋水産は「北の味わい つけ麺」シリーズのラインアップを強化。春夏限定で好評だった「濃厚えび味噌味」を改良して通年販売に切り替え、豚骨と魚介に辛みをきかせた「旨辛魚介豚骨醤油味」を追加した。「『大阪焼肉・ホルモン ふたご』監修 冷麺」は、全国展開する人気焼肉店のメニューを再現した話題の商品。弾力のあるなめらかな麺に、鰹節の風味とゆずの香りが特長のスープを合わせた。

関連記事

インタビュー特集

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。