世界中で親しまれるイタリア料理の中で、健康的な地中海食への関心が高まっている。地中海の恵みを存分に得た野菜、果物、オリーブオイル、穀類などを積極的に摂取することで、おいしさに加えて健康や環境に配慮した食生活を実践できるというもの。このほどイタリアで著名なシェフ、アレッサンドロ・チルチエッロ氏が来日し、プレス向けにランチを提供した。
イタリア政府は9回目を数える「世界イタリア料理週間」(11月16~22日)として、世界102か国で173ものプロモーションイベントを展開しており、日本ではプレス向けランチのほか、プロモーション映像をスーパーなど約1000か所で放映している。
シェフのアレッサンドロ・チルチエッロ氏はイタリア国営テレビ放送の番組に出演し、栄養薬学の原理を意識したレシピを紹介するほか、ラジオ番組の司会者やレストランの監修など多方面で活躍する。
プレス向けランチで提供されたのは4メニュー。「地中海食とイタリアの起源の料理 健康と伝統」をテーマに、前菜は「バッカラ(干鱈)、アーティチョーク、オレンジ、ミント」、プリモピアットは「リゾット・マンテカート カーチョ・エ・ペペ、生赤海老と柑橘類の皮を添えて」、セカンドピアットは「カンパチのステーキ、トマトとバジルのエマルジョンソース、野菜のクロッカンテ」、デザートは「無糖ダークチョコのムース、赤い果実とアニス添え」を用意。会場となった店舗の今井和正シェフらの協力を得て現地と日本の素材を融合させ、最新の調理法も駆使しオーセンティックな地中海食に仕上げた。
イタリア大使館貿易促進部のジャンパオロ・ブルーノ部長によると、イタリアの23年度輸出額のうち食品部門は約640億ユーロに達し大きな柱となっている。うち日本向けは戦略的に重要な位置付けで、食品・飲料などで約5億ユーロを輸出。「さらなる市場の拡大に期待している」。現在、イタリア料理はユネスコ世界無形文化遺産に登録を申請中。