明治の「ミルクチョコレート」定番の板チョコが脚光を浴びている。
アフターコロナに向かいスイーツなどの手作り需要が復活したことが背景の一つ。
取材に応じた吉田彰グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部部長は「バレンタインデーに向けた手作り需要はコロナ禍で低迷していたが、2023年から復調の兆しがあり24年には完全に復活した」と振り返る。
今年は、バレンタインデーでの手作り需要の完全復活の流れが日常にも波及した模様で多くの小売企業では春先から製菓材料が活況となり、これに伴い無垢チョコレートの「ミルクチョコレート」の引き合いも一層強まっている。
「ミルクチョコレート」ブランドの販売金額の伸びは23年度(3月期)が前年比10%弱のプラス、今上期は20%強のプラスを記録した。
吉田部長は、手作り需要増加の背景には、既製品の価格高騰があるとの仮説を立てる。「既製品のお菓子全般が値上がりしていることから、手作りする人が増えていると我々はみている」と語る。
無垢の板チョコにはそもそも値頃感があることから手作り需要にも合致しているとみている。
「チョコレート商品が軒並み値上げで高価格になる中、無垢の板チョコは100円台を維持し、買いやすさからも支持されていることから、次のバレンタインに向けては多彩な仕掛けを用意して大きな需要を取り込んでいく」と意欲をのぞかせる。