企業目線が目立つ物流改革

宮城県は全職員が利用できる「週休3日制」を導入することを明らかにした。これは、週5日のうち1日分の労働時間をほかの勤務日に振り替えて、実質的に週休3日にするもの。全職員に利用を認めるという。

▼労使環境は売り手市場のため、働き方の多様性を認めないと人材の確保が難しい実情を反映した動きのように思える。多様化の一つにカムバック制度もある。これは離職者に再就職のチャンスを与えるもの。

▼少子高齢化のなか、離職理由には親族の介護といったやむをえない理由もあるが、転職したいという理由もある。カムバックは転職者であっても、転職先での経験に期待を寄せて門戸を開く。

▼昨今の働き方の議論は、どちらかというとワークシェアリングの要素が色濃いようだ。「長時間労働もいとわない」「とにかく思いっきり働いて稼ぎたい」といったニーズもあろうかと思うが、昨今の物流改革の施策を取材すると、バースの予約システムなどは確かにドライバーの負担軽減につながる施策はあるが、企業目線のものが多く、ドライバーの立場に寄り添ったものが少ないように思う。