ハチ食品は今期(2025年3月期)から開始したフリーズドライ(FD)事業の展開を本格化する。レトルト事業の高付加価値化に取り組む一方、FD事業については現行商圏の引き継ぎを終え営業展開を強化。「たまごスープ」を軸に提案を進め、今期売上30億円の達成を目指す。
高橋慎一社長が8月20日に都内で開いた2024年秋冬新商品発表会で明らかにした。
主力のレトルト事業について高橋社長は、この3年間、数量は横ばいで推移している半面、PBを含む商品の高付加価値化が進み、売上は伸びていることを紹介。「低価格品から高価格品へ、PB品からNB品へと、そのシフトを戦略的に加速させている」と述べ、今後も高付加価値化、NB品へのシフトに取り組む考えを強調した。
レトルトについては、カテゴリー拡大やラインアップ強化に取り組むなか、カレー、パスタソースに加え、スープ、米飯類、レンジ対応パウチの展開を強化。スープと米飯類に関しては、「レトルトのいいところ、フリーズドライのいいところを使いながら商品を展開していく」(高橋社長)。ボリュームゾーンの大容量タイプに関しては、この秋に改めて価格改定を実施する。
FD事業について高橋社長は、下期以降は営業展開を積極化し、9月から「一杯の贅沢 魚介の旨み溢れる海鮮チゲスープ」を発売することを紹介。主力の「たまごスープ」に関しては、今期の方針として大型キャンペーンに取り組む考えも示した。
来期に向けても「たまごスープ」の提案に注力する一方、FDの新製品開発を加速する。スープに関してはFD、レトルトの双方でラインアップを強化する。
今期(4~7月)の売上高はFD製品を除く実績で前年比7%増、FD製品を含む実績で同20%増となっている。レトルト製品の販売数量は同1%増。うち「たっぷりパスタ」シリーズが同6%増と好調な動きを見せている。