JR大阪駅西側地区に二つの大型商業施設が7月31日に同時オープンし、同地区に飲食店が一気に100店舗強増えた。
2施設は、日本郵便グループの「JPタワー大阪」内の「KITTE大阪」と、JR西日本グループの新駅ビル「イノゲート大阪」の飲食ゾーン「バルチカ03」で、関西地元業務用卸は両施設専用の配送ルートを新たに組むなど、関西外食業界がさらに活況を呈している。
JPタワー大阪は24年3月に竣工した施設で、地上39階、地下3階にオフィス、商業施設、劇場、ホテルを備える。23年11月からオフィス利用が開始され、24年3月に劇場が開業し、そして今回、「KITTE大阪」と、ジェイアール西日本ホテル開発が運営するホテルが開業した。
「KITTE大阪」は、全国のKITTEでは東京、名古屋、福岡に次ぐ4拠点目。6階~B1階に114店舗が開業し、大阪・関西万博開始の25年4月までに約130店舗となる計画だ。
開業した店舗のうち、飲食店は約60店舗。そのほか、「日本の良さを発見・再認識できる場所を目指す」(同施設)とし、2階には北海道、沖縄、高知、広島、兵庫、新潟、山陰、岡山県倉敷市などの各道府県や地域、市など10以上のアンテナショップが一堂に会しており、北陸3県の「ホクリクプラス」では物販のほか、併設のバーでは北陸の地酒が各種飲み比べることができる。富山、石川、福井の北陸3県が一緒に店舗を構えるのは初めて。
また、令和6年能登半島地震で被災した加賀屋のレストラン事業部が5階に出店。能登の加賀屋旅館は震災の影響で休業中だが「加賀屋が元気でいることをお見せしたい」(加賀屋レストランシステム)としている。
一方、「バルチカ03」は全50店舗が飲食店。「イノゲート大阪」のビル内の商業フロア5~2階に展開する。
同地区は、平日のランチなど「日常使いの店が少なかった」(JR西日本SC開発)ことから、主ターゲット層を「男性サラリーマン」に置き、周辺施設との差別化を図る。
今後、9月に同地区北側(うめきたエリア)に新たな複合商業施設「グラングリーン大阪」の一部先行開業も控えている。25年4月開幕の万博を見据え、各施設が万博来場客の取り込みも図る。
(7日付本紙に「外食WEST」)