イオングループのイオンネクストが昨年7月に開始したネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」が首都圏の食のニーズを着実に獲得している。
イオンは、小型店とネットの機動力で首都圏ドミナント戦略を推進。
首都圏では、戦略的小型店として「まいばすけっと」と「ビッグ・エー」を強化してシェア拡大を図る一方、首都圏におけるオンライン上の食のシェアを「グリーンビーンズ」で高めている。
「グリーンビーンズ」の手応えについて、7月3日、「Green Beans」2024年度戦略説明会に登壇したイオンネクストの社長兼イオンネクストデリバリー社長の野澤知広氏は「特にイオンの店舗数が少ない世田谷区や港区、大規模マンションの多い湾岸エリアでのご注文が多い」と語る。
利用者の居住地は、6割が東京都、3割が千葉県、1割が神奈川県となっている。
東京都内でイオンの店舗が少ないエリアで好評になったことについては「イオンの少ないエリアでは苦戦すると予想していたため意外だった」と明かす。
イオンの店舗数が少ないエリアでは「トップバリュ」が強みとなった可能性がある。
イオンネクストの取締役副社長の太田正道氏は「ネット上で『トップバリュ』を買える店舗を検索するお客様が一定数いらっしゃる。首都圏で『トップバリュ』を購入したいというニーズが確実にあり、『グリーンビーンズ』ならば『トップバリュ』の相当数の商品をワンストップで購入することができる」と説明する。
ユーザーの年代としては、共働き世代の30~40代や、子育ての落ち着いた50代が特に多いという。
「例えばタワーマンションにお住まいの方は、お車を持っていない方が多い。平日にお子さまを迎えに行った帰りに買い物しようとしても、お子さまと手をつないでいると持てる荷物が少なくなる。送料についても、買い物のために電車やバスを利用する交通費よりも安いと考えていただけているようだ」との見方を示す。
総合スーパー(GMS)の主要顧客となる40~50代よりも若い世代を獲得していることに対しては「イオングループにとって新しいお客様からご支持をいただいている」と手応えを語る。
会員数は現在、21万人以上。
太田氏は「継続顧客の割合も5割を大きく超えており、お客様が購買されるカテゴリー数も増えている。平均のバスケット単価(客単価)もこの半年で15%近く増加している」という。
まとめ買いニーズに対応する商品を強化したことも奏功し、現在の客単価は1万円弱となり伸長を続けているという。
今後は、さらなる成長と認知拡大を目指す。
1週間の鮮度を保証する農産品を届けるブランド「鮮度+」の好評を受け、今年夏には畜産品でも「鮮度+」ブランドを展開する。
7月3日からは、フルーツなどの食べごろの期間を保証する「食べごろ+」をスタート。
現在はキウイ5品目、メロン2品目、アボカド1品目の8品目を取り揃え、今後も季節に応じた商品を提供していく。
認知拡大に向けては、7月20~21日にイオンモール幕張新都心で1周年の記念イベントを開催。商品の試食などを通して「グリーンビーンズ」の価値の体験を図る。