ミツカングループは2024年度(25年2月期)の取り組み方針を明らかにした。
24~28年度を対象とする新中期経営計画では「お酢を軸としたグローバルでの成長」「自然の力と素材を最大限に活用した、より健康的な食の開拓」「和のエッセンス(日本食)を取り入れ、世界に新しい食を届ける」の3つの領域で事業の強化とイノベーションの創出を図る。24年度は新中計の初年度として各領域で積極的な取り組みを進める。
ミツカングループは6月4日、都内で23年度の決算概要に関する記者会見を開催。Mizkan Holdingsの中埜裕子社長、Mizkanの吉永智征社長兼CEO、ZENB JAPANの濱名誠久社長が登壇し、23年度の業績概況と24年度の取り組み方針を報告した。
会見では、新中計に向けて企業理念である2つの原点を守りつつ、新たにミッションとして「やがて、いのちに変わるもの。」、ビジョンとして「未来ビジョン宣言2024」、バリューとして「ともに」を設定したことを紹介。「ミツカングループが大切に考えていることを社内外に分かりやすく伝えていく」(中埜社長)とした。
新中計では、3つの領域で取り組みを進め、事業成長を目指す計画だ。24年度については「新たなミッション、ビジョン、バリューや3つの成長領域に積極的に取り組む。5年間の成長の足掛かりとなるように各エリアで着実に取り組んでいく」(同)と強調した。
日本+アジア事業、特に国内事業については、新ブランド「Fibee(ファイビー)」を立ち上げ、3月からテスト販売を開始。また「23年度に続き、食の楽しさをエンターテインメント要素として提供していく施策に取り組んでいく」「商品やメニューを認知・想起する段階から楽しさが伝わり、体験ができると思ってもらえるようにコミュニケーションを実施していく」(吉永社長)方針だ。
具体的には「インフルエンサーや他企業とのコラボによる新たなコト体験の提案」「SNSなどデジタル施策の活用による新たなユーザーへの情報発信」「これまでにない商品の使い方提案による需要創出」「食品の機能性表示商品による新たな食シーンや需要の創出」に取り組む。
北米事業、特にパスタソース事業では、市場環境の変化に対応するため顧客や商品ミックスの販売施策を実行。食酢を中心とした調味料事業では、幅広い使用用途によるホワイトビネガーの強い需要を生かし売上拡大を図る。
欧州事業では、日本食業務用事業を積極的に拡大する。英国のほか、23年度に本格稼働したオランダのミツカンアムステルダムを営業拠点として欧州全域への拡売を図る。英国のブランドビジネスでは、「サーソンズ」の230周年プロモーションを通じて再認知・新規顧客獲得を目指し、新商品の拡売も図る。
ZENB事業については、「引き続き新商品の投入と効果的な広告の投下を実施していく」(濱名社長)考え。「自社のDtoCサイトに加え、ECモール、小売店を通じた販売により、多くのお客様に手に取ってもらえるように取り組んでいく」「ポップアップストア、ファンイベントなどお客様との共創の活動も積極的に進めていく」(同)方針だ。