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サンクゼール 新業態「MeKEL」を視る〈下〉 地方メーカー比重高め差別化

製造小売業のサンクゼールは、9月に長野市に新業態「MeKEL(メケル)」をオープンした。「サンクゼール」「久世福商店」に次ぐ第3の柱として“日常の食”にフォーカス。25年からは地方の郊外立地を中心に、FC展開で出店を加速化する計画だ。

「MeKEL」の店舗コンセプトは、「冷凍食品×世界の食×ワクワク感のある店舗」。既存業態より、日常食に注力した品揃えと低い価格設定で普段使いを促す。競争の激しい大都市圏ではなく地方への出店を進め、地域で存在感を高める方針だ。

1号店「MeKEL長野若里店」では、販売する商品を常温・冷凍の2温度帯に限定。販売アイテムは現在約1千500品目あり、常温、冷凍がそれぞれ半数。このうちオリジナル商品は、常温・冷凍合わせて100品目ほど。自社工場のほか、国内協力工場の開拓も進め、今後その比率を高めていく。

オリジナル以外では、500以上ある既存取引先や新規取引先の商品、または共同開発商品、輸入商材が中心。時短を実現する冷凍食品や、保存食にもなるレトルト食品、海外の食、日本各地のおいしい食を切り口に、卸を通さず直取引を基本としている。

商品の選択や開発には独自基準を設け、バイヤーが可能な限り現地に足を運び、作り手の想いや作り方、風土を確認したうえで商品を選び、共同開発を行う。その際にチーム全員で試食を行い、納得できるものを追求している。添加物は必要最小限に抑え、保存がきく冷凍食品はより減らすことが目標。例えばハム・ソーセージ類ならば、冷凍保存することで防腐剤不使用に仕上げた商品を採用している。

人気の冷凍和惣菜パック
人気の冷凍和惣菜パック

冷凍食品は、大手NBよりなるべく地方メーカーを採用することにより、近隣スーパーとの差別化を図る。品揃えは生鮮3品(野菜・果物、魚介、肉)や和洋中の総菜を充実しており、漬物(無発酵)やロースハム、いなり寿司、生麺、弁当、パン、デザートなど、チルド温度帯が多い日配品も冷凍で展開。

冷凍惣菜は完成品の個食パックの人気が高い。PB商品ではプロの料理人が監修した商品を展開。カテゴリー売上№1の「信州みそが香り立つぜいたく豚汁」は、夕方から来店が増える単身男性の購入が多い。

また手作り感が高いミールキットも好調なことから、こうした商品の品揃えを強化するだけでなく、例えば揚げ物類でも電子レンジで温めるだけの調理済み商品だけでなく、揚げる工程がひと手間必要な商品など、消費者が選択できるように揃えている。

常温商品は、地方メーカーの調味料や乾物、総菜、菓子、タイや韓国などのアジアを中心とした輸入品を充実。同社が得意とするジャムやソース類は、「久世福商店」などにはないオリジナル品を新たに作り展開している。

既存ブランドにはなかった「食卓のメインとなる食材」を強化することにより顧客層を広げ、企業の成長と可能性の拡大につなげていく考えだ。

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