今年は夏の猛暑と残暑により梅干や酢漬の販売が好調だった。梅干や酢漬はユーザーに効果効能が知られており、暑い夏は健康維持のために需要が上がる。やはり漬物には健康維持への貢献が期待されている。引き続き健康パワーを訴求し、需要を喚起したい。
梅干はコロナ期間にやや低調な販売が続いたが、今夏が猛暑になると販売が上向き、10月頃まで好調に推移した。熱中症で失われやすい塩分やミネラルを効率よく摂取できる梅干のメリットが、猛暑で久しぶりに思い出されたようだ。
また、今夏は酢漬の販売が好調だった。暑い夏は爽やかな酸味の酢漬が食べたくなる。らっきょうは血糖値の改善効果、生姜には疲労回復効果があると言われる。もちろん酢も身体によく、暑い夏に酢漬を食べるのは理に適っている。
飽食のこの時代、味やコスパに加えて健康も食品を選択する上で大事な要素になっている。今夏の売れ方を見ても漬物に寄せられる健康への期待は大きい。今後の消費拡大に向けては、漬物の健康パワーについて中年や若年層の認知度向上を図る必要がある。
漬物の健康力を訴求する絶好の機会がある。来年は4年に1回の「にんにくの日」(2月29日)があり、これに合わせてキャンペーンを実施するメーカーもある。疲労回復や滋養強壮が期待できるにんにく漬は販売堅調。この市場をさらに活性化させる。
また、漬物で機能性表示食品が増えていることもアピールしたい。道本食品の「日向漬」に含まれるGABAは高めの血圧を低下させる機能がある。また、遠藤食品の「しょうがフレーク」に含まれるショウガ由来ポリフェノールは気温が低い条件下で、指先の体温を維持する機能がある。
健康的な漬物をより身近な食品にするためには商品の利便性追求も欠かせない。昨今は簡便な沢庵や茄子のスライスカップ、ぬか漬スライスの盛り合わせが販売好調。野菜の食物繊維は便秘改善や生活習慣病の予防に効果がある。簡便なスライスカップで手軽な野菜摂取を促したい。