11.1 C
Tokyo
7.9 C
Osaka
2026 / 02 / 06 金曜日
ログイン
English
飲料系酒類ビールからRTDへ 成長市場を見据え生まれ変わったサッポロビール仙台工場 自社生産能力は倍増

ビールからRTDへ 成長市場を見据え生まれ変わったサッポロビール仙台工場 自社生産能力は倍増

缶チューハイなどのRTD酒類市場は、この10年で約2倍に成長。ビールなどに代わる食中需要の拡大から、一層の成長余地が見込まれる。酒税改正が進むなかでも、26年までは税率が据え置きとなることも追い風だ。増税となる新ジャンルからの需要流入も当て込み、成長市場でのシェア獲得へ各社は投資を集中させている。

ビール類の製造を昨年で終了したサッポロビール仙台工場(宮城県名取市)では、40億円を投じて新たに導入したRTDの製造ラインが10月から稼働開始した。

1971年竣工の仙台工場は、同社でも最も長い歴史を持つ工場として地域とともに歩んできた。このほどRTDの製造拠点として生まれ変わり、新たにスタート。現在「濃いめのレモンサワー」「男梅サワー」などRTD5品目とともに、ポッカサッポロフード&ビバレッジのカップ入りスープも製造する。

新設された調合タンク。「濃いめのレモンサワー」製造中のこの日、室内はレモンの香りで満たされていた(サッポロビール仙台工場)
新設された調合タンク。「濃いめのレモンサワー」製造中のこの日、室内はレモンの香りで満たされていた(サッポロビール仙台工場)

「10月から酒税改正がスタートし、消費動向を日々注視している」と語るのは、ビール&RTD事業部の永井敏文部長。新ジャンルからRTDへの需要シフトを見込むものの、まだ数値上は明確な流れが見えていないと話す。

ただ同社のRTD事業は絶好調。今春の新発売から3か月で2千万本を突破した「ニッポンのシン・レモンサワー」などによる押し上げ効果もあり、10月までの販売数量は累計113%で推移する。年間で過去最高売上を更新する見込みだ。

「メーカーとして、次なる新しい提案ができるか。しっかりお客様を捉えることができるかどうかは、そこにかかっている」(永井氏)。

ビール製造当時の設備を流用したRTDの缶ライン
ビール製造当時の設備を流用したRTDの缶ライン

掃部(かもん)晃工場長によれば、仙台工場の従業員は38人とビール製造時に比べてほぼ半減。効率的な体制で生産を行っているという。

「RTD製造ラインのコンセプトは、食品安全、生産性向上、働きやすさ、サステナブルの4本柱。これからも地域とともに、おいしい商品づくりに磨きをかけていきたい」(掃部工場長)。

新ラインの稼働により、RTDの自社生産能力は倍増。26年には自社製造比率88%を目指す。

ピューレや混濁果汁を使用する製品も製造可能となり、今後さらに特長ある多様な商品の開発に期待がかかる。

永井敏文部長㊧と掃部晃工場長(サッポロビール)
永井敏文部長㊧と掃部晃工場長(サッポロビール)

関連記事

インタビュー特集

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。

食品産業センター 荒川隆理事長に聞く 「食サス」設立でサステナ課題深掘り フードサプライチェーン全体の連携で

日本の食品産業は、国内外から調達された農畜水産物を原料として、健康で豊かな生活を送るために必要な加工食品を安定的に製造・供給する産業として発展してきた。