伊藤ハム米久HD 市場獲得へチャンス 業務用品を小売新ブランドで

伊藤ハム米久ホールディングスは10月19日、伊藤ハム、米久それぞれの業務用新商品発表会を開催した。

「アフターコロナで様々なことがリセットされ、再スタートしている。市場を獲得するチャンスがある」(米田雅行常務)とし、新商品やリニューアル品をきっかけに「業務用全体の物量をしっかり確保」(同)する考えだ。

伊藤ハムは新商品13品、リニューアル6品を発売し、外食や中食市場で課題の人手不足、食品ロス、客数・単価増などの課題解決を図る商品や提案で臨む。

食品ロス削減ができる簡単オペレーションの商品として、23年7月リニューアルの「鶏皮からあげ300g」はバラ凍結なので一人前だけの使用もできる。冷凍状態から使いたい分だけをフライヤー、電子レンジ、オーブントースターと現場に合わせて3種類の方法で調理が可能で、各調理方法で食感も変わる。原料のカットサイズを大きく変更し見た目も食べ応えもアップしている。

客数・単価アップでは、好評の監修からあげシリーズから、第2弾「ジョニーのからあげ」監修の「鶏むね肉の旨だしからあげ」を23年10月に新発売した。

また、業務用で実績ある商品を手軽な「冷凍小売り」に対応したブランド「Frozen Pro」を小売の精肉フリーザーや宅配チャネル向けに今年春に発売し「バイヤーから好評」(同社)とのこと。現在の商品は「チキンナゲット」や「チキンフィレ」など9品をラインアップし、今後はさらなる拡充を図る。

米久も、業務用商品を「業務用コンシューマ」商品に刷新し、ブランド名は「Family Stock」とした。小売の人手不足でバックヤードの作業が削減される中、同商品は店舗でのインストア作業を行うことなく業務用商品の展開が可能になり、冷凍調理品需要の高まりに応えるとともに、割安感も実現させる。