UCCが「飲まないコーヒー」開発 究極の香り追求し「食べる」ことで余韻を楽しむ新発想

 UCCグループは、“飲まないコーヒー”を謳うコーヒーを使用した新カテゴリーの食品「YOINED(ヨインド)」を開発した。

 これは、UCCグループが掲げるパーパス「より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ。」の一環で、コーヒーの新たな可能性を追求し今までにないコーヒーの価値創造へのチャレンジとなる。

 10月26日の発表会に登壇したUCC上島珈琲の里見陵取締役副社長は「パーパスのもと新しい切り口のコーヒーの力が世に出せることを嬉しく思う。これまでにない商品のため、お客様の反応も見ていくが、まずは余韻で勝負する」と意欲をのぞかせる。

UCC上島珈琲の里見陵取締役副社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
UCC上島珈琲の里見陵取締役副社長

 同商品は、“究極のコーヒーの香り”を追求した結果、“飲む”ではなく“食べる”ことでコーヒーの香りの余韻を楽しむもの。
コーヒー豆を抽出することなく、そのまま粉砕して香りとともに閉じ込める日本初となる独自製法を用いて開発された。

 商品名の「ヨインド」には「コーヒーの香りの余韻を味わっていただきたい」(UCC上島珈琲)との想いを込めた。

 主な原料はコーヒー。コーヒーオイル、植物油脂、砂糖で、カカオ豆は一切含まれておらず「焙煎したての香りが口から鼻腔に伝わり鮮烈な香りに浸れる」という。

 開発にはUCCイノベーションセンターの研究者が20年以上も考え続け、豆の粉砕方法と製法を着目して進められた。

 「硬く、油脂の粘りもあるコーヒー豆を-196℃で凍結して粉砕することで、香りの劣化防止に加え、口溶けの良さも叶えた。カカオ豆からチョコレートを作る過程にヒントを得て、粉砕した豆とコーヒーオイルを油脂でコーティングし、フレッシュな香りを保持することを実現させた」という。

 UCC上島珈琲は11月1日、同商品を直営店やオンラインストアなどで数量限定発売する。

 販売価格は「CRAZY BLACK」と「MELLOW BROWN」の2種類を3枚ずつ詰め合わせて税込2700円。