日本ハムの新球場「エスコンフィールド」を核とした「北海道ボールパークFビレッジ」の来場者数が9月末で目標の300万人を突破した。特に野球観戦以外の来場者数が33%の100万人と多いのが特徴だ。同施設は野球の試合がない日も開放しており、飲食や温浴施設、ホテル、スタジアムツアーなどが人気で、北海道外からの来場も多く、道内からは小中高生の課外学習の訪問先になるなど、通年で来場が見込める。今後は11月からスノーパークがオープンし、ファイターズ秋季キャンプによるファン交流イベント、12月はクリスマスイベントと、さらに来場者数が増えそうだ。
日本ハムグループのファイターズスポーツ&エンターテイメントがこのほど現況報告した。3月12日のプレオープンからホーム最終戦を経た9月30日までのFビレッジの来場者数は303万人で、試合がない日は平日4千500人、休日1万500人。地域別は道内7割、同外(海外含む)は約28%。これは札幌ドーム時代が道外約10%だったので、約3倍に増えたことになる。
道外からは観光バスのルートの一つになっている。試合がない日でも、飲食施設では同球場限定のシャウエッセンホットドッグや各種グッズのほか、ファイターズガールによるスタジアムツアーなどが人気だ。
特に20歳代が大きく増加した。年代別構成比はコロナ前の19年の10%ほどから約6.6ポイント増えた。20歳代増加の背景には各種イベント実施、SNS活用の他、「Fビレッジ公式アプリ」は9月末までに30万ダウンロードを超えた。
こういった来場者数増の背景には、さまざまな課題に素早く対応してきた努力もある。毎試合後のアンケート実施や、デジタル公式目安箱「聞いてよ Fビレッジおじさん」を開設し、来場者の声から改善を図ってきた。
例えば、開幕直後は駅と球場のシャトルバスや人気のシャウエッセンホットドッグなどで並び時間の長さの不満などが多かったが、バスの交通系ICカード利用可、試合日の近隣施設駐車場利用可、ホットドックの観戦座席までのデリバリーサービス導入など改善を積み重ねてきた。その結果、9月28日ホーム最終戦後のアンケートで半数が「悪いところはない」と回答した。
同社の営業利益は19年比で大きく伸長する見込みで、同社は「今後も皆様の声を反映」しながら「顧客利便性向上に向けたハードの新設・改修を積極的に行っていく」としている。