ヤマサ醤油が西日本エリア初の生産拠点として建設した滋賀竜王工場(滋賀県竜王町)が本格稼働し、9月から製品出荷を開始した。
新工場は西日本エリアの需要増加に応えて供給能力を高めるための生産拠点。多品種多品目生産が可能な設備を導入し、多様化するニーズに対応する一方、銚子工場(千葉県)や成田工場(同)で培った味づくりの知見、最新鋭のだし抽出技術を通して、ユーザー満足度の高い製品を生産する。また、輸送距離短縮によるCO2排出量削減や配送業者の負担軽減に貢献し、環境や人にやさしい物流を目指す。
滋賀竜王工場では、多品種、高効率生産体制を実現した。製造量に関わらず収率の低下を最小限にとどめるように設計された製造設備により、様々なニーズに応える。また、自工場抽出による風味原料を使った高品質な調味液を製造できる設備のほか、高粘度の原料を攪拌混合できる設備や固形物が多い内容物を生産できる設備を導入。様々なタイプの調味液を製造できる。
高度な品質管理体制も実現した。同工場で生産される製品については、すべてFSSC認証取得を前提にHACCPを用いた衛生管理を行う。原料・資材の受け入れから製品の一時納品先までのロットトレースを可能とした。
排出基準に合致した排水処理設備を導入し、稼働時の振動や騒音も管理することで、周辺環境との調和を図る。重量物取り扱い設備や各種輸送設備を導入するなど工場内の作業者の安全を考慮したレイアウトとし、作業者が行う各種操作におけるヒューマンエラー対策を施すことで、最適な作業環境を考慮した従業員に優しい工場を目指す。
滋賀竜王工場の概要は次の通り。
【所在地】滋賀県蒲生郡竜王町大字岡屋2831番4【敷地面積】2万4千624㎡(平地部分)【建物構造】鉄骨造り3階建て【生産品目】各種醤油・つゆ・たれ類【生産能力】約6千㎘【従業員数】約60人【設計・施工】清水建設【投資金額】約68億円(土地代含む)