「なべしゃぶ」「フライパンで焼肉鍋」 エバラ食品、市場シェア獲得へ差別化商品の提案を強化

エバラ食品工業は、2023年度下期のマーケティング戦略として「差別化商品による市場シェアの獲得」を目指す。「プチッと鍋」で個食鍋売上ナンバーワンの認知向上とトライアル喚起の継続に取り組み、「なべしゃぶ」「フライパンで焼肉鍋」の拡売を図る。焼肉のたれでは新サブカテゴリーの提案による市場活性化に取り組む。1日に開いた秋冬新商品説明会で明らかにした。

同社は消費の二極化は継続すると予測。ハレの日消費への対応、自炊、内食、節約、簡便などをキーワードとするケの日消費への対応、さらに時勢をとらえた対応を進める。「新商品についても今までと少し違うところ、競合他社との違い、差別化というところを打ち出しながら、シェアを上げていきたい。お客様にも独特な価値をみていただきたい」(石井敦史商品開発二課長)考えだ。

焼肉のたれについては、高価格帯商品として会員制和牛専門店監修の「WAGYUMAFIA GOLDEN BBQ SAUCE」を新たに発売した。最大のポイントは和牛の上質な脂のうまみを引き立たせるため、油原料を一切使用していないこと。和牛のおいしさを引き立てる和牛専用の焼肉のたれを提案する。

平日使いに対応するため、「たれプラス」シリーズをリニューアル。デザインを見直し、シズル感を強化する一方、いろいろなメニューに使えることを伝えるため、ブランドサイトへ誘導するQRコードを正面に追加した。また、3品の中身品質を改良し、5品の賞味期間を延長した。

焼肉のたれのプロモーションに関しては、「黄金の味」を中心に商品価値を訴求。「黄金あまったれレシピ」「黄金キャンプ飯」などの汎用メニューも提案する。「黄金の味」45周年コラボ企画としてコラボ商品の投入にも取り組む。

鍋つゆ、特に「プチッと鍋」については、間口拡大、その中でも若年層の取り込みを図るため、「旨辛みそ鍋」を追加。プロモーションに関しては、TVCMの投下、豆腐メーカーとのコラボを含む店頭施策、キャンプ飯の提案を含むデジタル施策に力を注ぐ。

「なべしゃぶ」については、トライアルの拡大を図るため、「あさりと帆立の貝だしつゆ」を追加。「野菜がおいしくなる、なべしゃぶ」をキーワードに、TVCMも投下し、認知とトライアルの拡大を目指す。「フライパンで焼肉鍋」についても、TVCMを新たに投下し、理解の促進と認知の拡大、新カテゴリーの定着を目指す。