中食惣菜の成長回復が際立っている。22年の惣菜市場規模は前年比3.5%増の10兆4千652億円。19年比では1.4%増とコロナ前の実績を上回った。
▼コロナでバラ売り販売が中止となり、20年の市場規模は10兆円を割り込んだが、パック販売への移行や巣ごもりと家飲み需要への迅速な対応が奏功。内食化が一巡し、買って済ませる傾向も加速している。禍を転じて福と為すで、バーコード付きの個包装化がデータの見える化を後押しし、商品開発と売場改革に寄与した面もある。
▼食品スーパー3団体の月次調査では、惣菜部門は21年2月から27か月連続で前年を上回り、食品市場をけん引している。スーパーの売上に占める惣菜の構成比は今や平均11%程度に上昇、なかには15%を突破した企業もある。
▼一方で、電気代・人件費をはじめとするコスト高が大きな課題。あるスーパーのトップは「冷凍・冷蔵ケースを止めるわけにはいかず、継続的なコストダウンとトップラインの拡大で吸収するしかない」と語る。売上、粗利獲得のためにも惣菜の強化拡大は必須となる。