国分中部 共創圏活動さらに加速へ

国分中部(名古屋市、福井稔社長)は13日、名古屋東急ホテルで2023年度の方針説明会を開催、あわせて同社の取引先会である国分中部KM会の総会も執り行った。当日はKM会会員メーカーに加え、国分中部と共創圏活動に取り組む自治体関係者なども招き、計約160人が参集した。

方針説明会は、国分グループの全体施策と国分中部の地区施策の2部構成で実施。前半は国分グループ本社の國分晃社長がグループ全体方針について、鈴木嘉一取締役からはマーケティング・商品政策について説明がなされた。

続いて福井社長が前期業績と今期方針を発表。前12月期については、国分中部とトーカンの持株会社であるセントラルフォレストグループ(CFG)の連結業績が売上高3千126億4千900万円(4.7%増)、経常利益19億1千700万円(32.1%増)の増収増益で着地した。

外食・フードサービスやCVSがコロナ禍を脱し回復の動きを見せたほか、一昨年に国分中部が国分フードクリエイトの中部エリアの事業を譲り受けたこと、またトーカンが三給をグループ化したことなども増収に寄与したという。

利益面では、各販売チャネルの売上高増と粗利改善、各種共配などの配送効率化による物流コスト抑制の取り組みが成果をみせた。

国分中部の23年度施策については、基本方針に「改善と改革」、キーワードは「連携」を掲げ、主要戦略として

①適正利益の確保
②常温と低温の融合
③共創圏活動の加速・EC事業
④顧客満足度向上
⑤従業員幸福度向上
⑥カイゼン滑動の推進
⑦SDGsの取り組み

――の7点に注力する。

今年は国分グループの第11次長計、CFGの長期ビジョン・戦略「アクセル2025」がともに3年目の折り返し点を迎えることから、今期の施策の達成により後半戦に向けた盤石な経営基盤構築を目指す。

主要戦略の取り組みとして、適正利益の確保では25年に向けて商品を軸とした収益改善のマスタプランを作成。常温と低温の融合ではフルライン提案のさらなる強化や、低温事業を武器として各エリアでの事業拡大の突破口づくりを図る。トーカンとの連携においても、デリカ、フレッシュ、日配部門などでのシナジー創出につなげていく。

共創圏の取り組みは「地域共創圏」と「物流共創圏」の両軸で進める。前者では三重県松阪市や岐阜県高山市との取り組み実績を踏まえ、事業エリア内の自治体・団体・企業などへのアプローチを積極化。後者においては共同物流や配送の受委託など同業他社、異業種、物流パートナー企業との連携を強化し、物流面の課題解決を目指す。

顧客満足度向上では、今年は仕入れ先1位選択率70%以上を目指す。そのためにも小売業とメーカーをつなぐ「調整力」の発揮や、小売ニーズの情報提供、新たな販路開拓に力を注ぐ。

高橋典裕経営統括部戦略推進担当部長からは国分中部の共創圏活動について、より詳細に説明。中部エリアにおける社会課題の解決や地方創生を通じ、ビジネス領域の拡大につなげていくとした。