6.5 C
Tokyo
4.4 C
Osaka
2025 / 12 / 07 日曜日
ログイン
English
流通・飲食イオン、PBを中計の最重要領域に据える 吉田昭夫社長「PBの成功の有無が企業経営に大きく影響」

イオン、PBを中計の最重要領域に据える 吉田昭夫社長「PBの成功の有無が企業経営に大きく影響」

 イオンの吉田昭夫取締役代表執行役社長は4月12日の決算説明会で、中期経営計画(2021~2025年度)に触れ「プライベートブランドを中計で最も重要な領域と捉えている」と語った。

 22年度のPB全体の売上高は1.3兆円。そのうち「トップバリュ」は前年比10%増の9000億円に達し過去最高を記録した。

 「トップバリュ」の好調は21年度からの“価格凍結宣言”が後押しした模様。価格凍結宣言が多くのメディアで報じられブランドの認知度が大きく向上しトライアル獲得にもつながったという。

 「お客様が『トップバリュ』を試す機会につながり、ご利用いただいたお客様がファンになっていただく。このようなサイクルが回り始めた結果だと思っている」と振り返る。

「トップバリュグリーンアイ」
「トップバリュグリーンアイ」

 今後は、PBへの意識変化を追い風とする。

 「PBの提供価値は、従来の“ナショナルブランド(NB)品質の安価提供”という概念から、企業理念を具現化したもの、そして差別化や競争優位性の源泉へとポジションシフトしている。それは、業態・商品分野・リアルやデジタルというチャネルを問わず加速しており、PBの成功の有無が企業経営に大きく影響を及ぼすと考えている」との見方を示す。

 23年度は、PB全体で売上高1.5兆円を計画。その牽引役となる「トッブバリュ」では、売上高1兆円を目指し、この春、ブランドを再構築した。

 メインブランドの「トップバリュ」は、“ワクワクするブランド”を目指し、おいしさ・楽しさや使いごこち・かっこよさを追求。

 オーガニック&ナチュラルブランドの「トップバリュグリーンアイ」は、ブランド誕生30周年を機に販促資材や売場を刷新。オーガニック商品の拡大とともに、産地・生産者との連携を一層強化する。

「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」3種
「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」3種

 価格訴求型の「トップバリュベストプライス」は、ブランドロゴを刷新。価格の安さに加え、環境・サステナブルといった価値、品質を追求した商品を開発する。

 「トップバリュ」全体としては、「商品を通じて顧客基盤を増やしていくことが重要」との考えのもと、買い上げ点数における「トップバリュ」の構成比を高めていくことを目指していく。

 イオンリテールにおける購買者のID‐POS分析では、購入者全体のうち1品でも「トップバリュ」を購入する「トップバリュ」購入者は90%に上る。

 将来を見据えて若年層の開拓にも取り組む。

 直近の動向としては“NB超え”の商品として、「トップバリュ プレミアム生ビール」と東北産の希少ホップを使用した発泡酒「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」3種(レギュラー、リッチテイスト、糖質50%オフ)を挙げる。

 「プレミアム生ビール」は22年3月の発売開始から1500万本を販売してプレミアムビールカテゴリーでNo.1を謳う。

 「バーリアルグラン」は今年3月16日に発売開始され、発売後約1ヵ月で約1300万本を販売。発泡酒カテゴリーの値入率改善に寄与しているという。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。