蒸し豆 市場拡大へ新たな提案 肉代替やおやつ需要狙う

蒸し豆の市場は発売から20年近くを経て約65億円規模に成長した。認知度を高めるため店頭での試食などを通して浸透を図ってきたが、コロナ以降はこうしたプロモーションが制限されたこともあり伸び率は鈍化した。

ただ、健康志向や簡便性など昨今の消費ニーズに合致した商品特性から、潜在需要は大きい。メーカーは新たな切り口での提案により、さらなる市場の拡大を狙う。

トップシェアを持つマルヤナギ小倉屋はミンチタイプの、その名も「ひき肉みたいに使える!蒸し大豆」を発売した。同社の調べでは、蒸し豆の使い方としてサラダ(35%)や料理(30%)を挙げるユーザーは多いが、肉の代替は1%に過ぎない。「製造工程がシンプルな蒸し大豆を、たんぱく源としてもっと使ってもらいたい」(同社)と、ひき肉に混ぜて使いやすいミンチ状に加工。ハンバーグやミートソースなどのひき肉レシピを提唱する。

また、蒸し豆の中でも高い伸び率を維持する味付けタイプを強化するため、『おやつ蒸し豆』としてシリーズ化した。山形産の希少な紅大豆を使った「ほの甘紅大豆」を発売するとともに、あずき、黒まめ、うま塩ミックスをリニューアルする。「サラダや料理だけでなく、おやつとして新たな食シーンを提案する」狙いだ。

一方、フジッコも蒸し豆シリーズ3品を刷新。サラダにより合うよう塩味を効かせた「蒸しサラダ豆」をリニューアルしたほか、「蒸し黒豆」は容量を5g減らしシリーズ価格を統一する。同社では「蒸し豆を毎日の食生活に、もっと気軽に取り入れてもらいたい」としている。