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腸活で体も心も健康に 腸内細菌が健康長寿へ 林原ライフセミナー

林原は13日、岡山市の山陽新聞社さん太ホールで「第5回林原ライフセミナー」を開催した。消費者に役立つ情報を提供して健康寿命を高めてもらおうと、企業活動の一環として実施する。会場には250人が参加した。後援は岡山市、明治。

冒頭に主催者を代表して安場直樹社長があいさつした。「当社は今年に設立140周年、長瀬グループになって10年を迎えた。サスティナブルな会社を目指して、岡山を中心に発信を続けてきたが、今後も『持続できる、健康寿命の延伸』を社是に掲げて取り組みたい」「昨年に岡山県の女性の寿命が全国1位になった。男性も1位になれるように一緒に目指しましょう」などと話した。

セミナーでは、内藤裕二・京都府立医科大学生体免疫栄養学講座教授が「腸活でカラダもココロも健康に~腸内細菌の多様性が健康長寿の秘訣~」をテーマに講演した。

また会場ホールではブースを設けて、林原が家庭用向け商品「ファイバリクサ」や「爽歩プロテイン&コラーゲン」「ルミンA」を、明治は「オリゴスマート」、宅配限定の「5つ星習慣」「グルコサミン1500&コラーゲン3000」を紹介。岡山市の岡山ふれあい介護予防センターでは、フレイル健康チェックを実施し、来場者でにぎわった。

内藤教授の講演

講演する内藤裕二教授
講演する内藤裕二教授
おなか(消化管)のはたらきは主に4つ。①食物を摂取する②摂取した食物を栄養素に分解する③栄養素を血液中、リンパ管に吸収する④消化できていない残渣(老廃物)を体内から排泄する。

さらに胃酸を分泌する、胆汁酸を代謝する、ホルモンを分泌する、粘液を分泌する、抗菌ペプチドを分泌する、免疫グロブリンIgAを分泌する、免疫細胞を制御するなどいろんな働きがある。

長寿は何によって決まるのか。それは持って生まれた遺伝子ではなく、体内に炎症が起きているかどうか。その炎症は毎日の行動や住んでいるエリア、腸内環境などに起因する。医学の父のヒポクラテスは「すべての病気は腸から始まる」と言った。腸は非常に大切な臓器で、われわれは腸内細菌と共生状態、細菌がないと生きていけない。

近年は腸内細菌を分析する機械・腸内マイクロビオーム研究が進んでいる。研究結果で神経の成長には腸内フローラが重要なことが分かった。例えば、無菌で育ったマウスは血中ストレスホルモン値が高い。子どものマウスに腸内フローラを移植すると、落ち着きを取り戻したという結果がある。近年日本人の多発性硬化症とクローン病が増えていて、ともに神経の病気ながら、患者の腸内細菌をみると減少している。腸内環境は心の健康にも影響する。

会場に設けられた林原のブース
会場に設けられた林原のブース
研究が進み、日本人の腸内フローラは独自であり、中国とアメリカは腸内環境が似ていることも分かった。遺伝子や小さい頃の環境、普段何を食べているか、喫煙飲酒の有無も関係する。子どもの頃の環境とは、ピロリ菌に感染しているかどうか。環境要因には、喫煙やPM2.5などが挙げられる。食べ物以外の環境も大切である。

日本は世界でも有数の長寿国として知られているが、その中でも100歳以上が多い地域として注目されているのが、京都府北部にある京丹後市。人口当たりの100歳超が3倍以上と高く、元気な高齢者が住んでいる。この同市での健康調査によると、インフルエンザや肺炎の罹患率が1.6%と極めて少ない。

フレイル健康チェックも実施
フレイル健康チェックも実施
死因の多くを占めるのは老衰だが、サルコペニア(筋肉の衰え)、ロコモ(運動器の衰え)、フレイル(心身の衰え)の関係も高い。タンパク質の摂取が筋肉を増やすと言われているが、ラクノスピラ菌(酪酸産生菌)が多いほど筋肉量が多い。実際に京丹後の高齢者の骨格筋量とタンパク質の摂取量は異なり、日常的に肉よりも魚や大豆類を食べていた。食べ物の多様性も必要であり、全体的にバランスよく食べることが大切。そして生活の中で身体を動かすこと、概日リズムなど、腸によい生活を心掛けることが、健康長寿につながる。

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