売場でスナック菓子や飲料を選ぶ際、不動産や自動車の購入とは異なり、熟慮を重ねるなんてことはなく衝動買いに近い。その判断に要する時間は数秒と言われ、それゆえ食品・飲料メーカーはブランドを磨き続ける。
▼店頭棚で中身や品質レベルが拮抗した商品が並んでいる場合、消費者にパッと見てパッと手に取ってもらうのにものを言うのがブランド力であり、メーカーは長きにわたりマーケティング投資をたゆまず行いブランドを育てている。
▼その点、アニメのキャラクターもブランドと同じようなものではないだろうか。一朝一夕に親しまれるということはなく、回を重ねるごとに作者の手を離れファンの間で育て上げられていくもののように思う。
▼あろうことかフィリピンの塀にいた悪党がある人気キャラクターを名乗り強盗殺人を指示した疑いで逮捕。悪事に憤りを感じるとともに、呼びやすさからか、マスメディアがそのキャラクター名を無遠慮に連呼し、耳にするたびにキャラクターが棄損されているように思えた。ブランドと同じく守られてしかるべきなのに。