日本アイスクリーム協会は1月24日、都内で「第47回アイスクリーム類製造業衛生功労者表彰式」を開催し、アイスクリーム類製造業における衛生、品質の改善・向上において功績があった21人を招き、協会会長賞として表彰状と記念品を贈呈。祝賀会を含め約120人が参加した。
冒頭のあいさつで松田克也会長(明治社長)は、「過去2年は新型コロナの影響で開催を中止したが、今回皆さまを表彰できることを嬉しく思う。長年のご苦労に敬意を表する」と祝辞を述べ、「今後も食の安全確保に一層努力し、お客様や流通に携わる方々ときめ細かなコミュニケーションを図り、食に対する信頼を確保してほしい」とし、業界発展に向けさらなる精進を求めた。
来賓として出席した厚生労働省医薬・生活衛生局の三木朗食品監視安全課長は、佐々木昌弘厚生労働省生活衛生・食品安全審議官の祝辞を代読し、「協会にはHACCPに沿った衛生管理を指導してもらっており、引き続き業界への支援をお願いする」と述べた。また宮原道夫日本乳業協会会長は、「今年度のアイスクリーム販売実績は、夏前の価格改定や新型コロナ第7波の影響を受けながらもPR、消費拡大事業の全国展開、SNSやWebを活用した情報発信を通じて売上を伸ばし、上期累計では前年同期の物量を維持。市場規模は6年連続して5千億円の達成が期待されている。おいしく、安心して召し上がっていただける製品の提供と後進の指導、育成にこれまでにも増して尽力してほしい」と語り、業界のさらなる発展を求めた。
受賞者を代表して丸永製菓の岡野泰徳氏は、「38年間アイスクリーム製造に携わってきた。最新機器を使う前は古い製造ラインを動かすことに苦労したことを、昨日のことのように思い出す。しかし今も昔もおいしく安心・安全なアイスを作る熱意は変わらない。アイスクリーム業界は日本では数少ない右肩上がりの業界であり、その一員として仕事ができることを誇りに思う」と力強く謝辞を述べた。
「全国へ元気届ける」若椙副会長
祝賀会に先立ち若椙修吾副会長(江崎グリコ)は、「コロナ禍の今年は、かなりの変化が見られる。原材料高騰により価格改定が行われ、電気料金の値上げでも厳しさが想定される。今こそ業界が一致団結して安全、安心を大前提とし、日本全国に活気みなぎるような元気を届けたい。アイスクリームにはそうした特別な力がある」とあいさつ。最後に日本アイスクリーム産業振興会の伊藤景一郎副会長は、昨年は天候要因や商品開発が大きな成果があったと振り返ったうえで、「円安や原材料高騰の影響により価格改定が行われ、収益的には厳しかったと察せられる。こうした状況は私どもの資材や香料、機械業界でも同様で、多くの難題に直面している。今こそ互いに知恵を出し合い、協力しあって難局を乗り越えることが重要だ」など協力を要請して乾杯の音頭をとり、佐藤研次副会長(赤城乳業)の中締めで祝賀会を終えた。
アイスクリーム類製造業衛生功労者協会会長賞の受賞者は次の通り(順不同、敬称略)。▽鶴田裕久(冨士食品工業)▽金澤茂実(明治)▽仲澤元彦(クラシエフーズ)▽小寺隆雄(森永乳業)▽湊拓生(東京シルヴァー商会)▽西沢智(シャトレーゼ)▽竹内利明(江崎グリコ)▽島田勇一(ロッテ)▽松原稔(赤城乳業)▽佐藤敦(ロッテ)▽緑川まゆみ(フタバ食品)▽関口和貴(キムラヤ乳業)▽北村英昭(グリコマニュファクチャリングジャパン)▽高平恵子(ハーゲンダッツジャパン)▽松原めぐみ(森永乳業)▽飯島康寿(栄屋乳業)▽佐瀬学(明治)▽辻田尚子(アイガー)▽安部京子(明治)▽西村清美(ロッテ)▽岡野泰徳(丸永製菓)